これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

分子機械とシステムのfine-tuningをモデル化する統計的方法の利用

Steinar Thorvaldsen; OlaHössjer(2020.9, Journal of Theoretical Biology)[Using statistical methods to model the fine-tuning of molecular machines and systems]

 

理由

JTBで最も引用されてるとかなんとか

 

概要

Fine-tuningは物理学で高い関心を受けており、これは、物理における基本的な係数が、多くの化学的、生物的に可能な正確な値をうまく合わせられる、という主張である。これは分子生物学の広い分野にはまだ応用されていない。しかしながら、この論文では生物系が生きている細胞や細胞ネットワークにおける機能的なタンパク質、複雑な生化学機械のような異なるレベルでのFine-tuningを示すことを議論する。この論文では、分子のFine-tuningを示し、これが生物学でどのように用いられうるか、そして従来の進化論に意義を唱えるかを示す。加えて、fine-tuningを基盤とする統計的方法について議論し、このような解析の枠組みを示す。

 

雑記

カーテン閉めて寝ると日が入らないのでいつまででも寝れる

PREvaILは、機械学習の枠組みにおける配列・構造・ネットワークの特徴を用いて触媒残基を推察する統合的な方法である。

Song, J.,... Webb, G.I.(2018.4, Journal of Theoretical Biology)[PREvaIL, an integrative approach for inferring catalytic residues using sequence, structural, and network features in a machine-learning framework]

 

理由

JTBの最も引用されてる論文

 

概要

酵素における触媒残基の決定は、タンパク質配列、構造、機能の関係を理解し、新しい酵素とその阻害剤を設計する能力を高めるのに重要である。多くの酵素の配列がわかり、その一次配列と三次配列が決定されたが、酵素の機能的特徴の実験的方法は遅れを取っている。触媒残基を同定する実験的方法は、資源と労働がかなり必要であるので、計算機的方法はかなり価値があり、触媒残基に同定と配列-酵素-機能のギャップを埋めるのに役立つ統合的な実験的研究の能力をかなり高くする。この研究では、酵素の触媒残基を予測するPREvaILと呼ばれる新しい計算機的方法を示す。この方法は、配列・構造・残基接触ネットワークを含むランダムフォレスト機械学習の枠組みで抽出された情報的特徴の統合的なセットを活用する。10倍の交差検証と独立試験、そして7つの現在の配列と構造に基づく方法のパフォーマンスを同時に比較することで、8つの異なるデータセットの革新的な拡張方法によって、PREvaILは特徴的な曲線と面積を支配する受取手の条件下での面積と、予測-想起的な曲線下での面積をそれぞれ0.896-0.973と0.294-0.523の範囲で予測する能力を示した。この方法は異なるレベルから生じる有効なシグナルを捉えることができ、異なるが有効な種類の特徴を用いて、触媒残基の予測の能力をかなり促進することができる。この新しい方法は、タンパク質の配列-構造-機能の複雑な関係を理解し、機能的注釈のない新しい酵素の特徴を促進するために価値のある方法として有効化されると考えられる。

 

雑記

ストックしてた論文がなくなってしまい、ほうぼうを探し回ることになった

CRISPR/Cas9 突然変異誘発によって、甲殻類の脚の特殊化と進化における用途の広い役割が解明された。

ArnaudMartin;...;Nipam H.Patel(2016.1, Current Biology)[CRISPR/Cas9 Mutagenesis Reveals Versatile Roles of Hox Genes in Crustacean Limb Specification and Evolution]

 

理由

Twitterで流れてきた

 

概要

甲殻類は特殊化された脚の多様な配列を所有する。この脚の多様性を生み出すのに、Hox遺伝子の発現ドメインの移動が働いていると仮定されてきたが、甲殻類の発生中のHox遺伝子の正確な役割を理解する機能的なデータはほとんど与えられていない。CRISPR/Cas9の標的とした突然変異誘発とRNAiノックダウンを組み合わせることで、端脚類Parhyale hawaiensisの口と胴の発生中に発現する6つのHox遺伝子の機能を解読した。これらの実験的に操作された動物は、特異的かつ驚くべき相同異形成な変形を示した。Abd-Bのノックアウトがあるとき、abdominal(腹部)-A (abd-A)とAbdominal-B (Abd-B)は、適切な前後軸パターニングを必要とし、腹部になるべきものに沿った胸部的な脚をもつ動物ができる。また、abd-Aを乱すことで、腹部と胸部の付属肢の両方で特殊化を失った特徴を持つ単純化されたボディプランが生まれる。胸郭では、Ubxが鰓の発達と顎の抑制に必要であり、Antpが爪の形態を指示する。口では、ScrとAntpが顎部分と喉部分の混ざった顎脚の特徴を支配し、ScrとDfdが頭の後ろ側部分における触覚の特徴を抑制している。結果から、Parhyaleにおける各種類の付属肢の特殊化におけるHox遺伝子の役割が定義され、これはいくつかの付属肢はHox遺伝子の入力によってパターン化されるようなモジュールの特徴をもつ。さらに、Hox発現の変化が甲殻類の種間の形態的違いをどのように生み出すかを決定した。最終的に、モデル生物に現れるCRISPR/Cas9に基づく体細胞変異の有効性も強調する。

 

雑記

今日は休みたいから最小のルーチンだけこなして寝よう、と思って起きるのに、やり始めると色々進んで結局夜になる。みたいな日々

デボン紀のParaspirifer bownockeri(腕足動物)の計算機的な流束動態シミュレーション

Yuta Shiino;...;Nobuhiro Yoshikawa(2009.4, Journal of Theoretical Biology)[Computational fluid dynamics simulations on a Devonian spiriferid Paraspirifer bownockeri (Brachiopoda): Generating mechanism of passive feeding flows]

 

理由

ラボセミナーで紹介されてたやつ

 

概要

デボン紀のParaspirifer bownockeriの受動的な流束を発生させるメカニズムを、固い殻の周りの流れの流束ダイナミクスシミュレーションを通じて理論的に解明した。RANS方程式を乱流モデルとして用いて、不安定な非圧縮性流れを有限体積法を用いて解いた。背と腹の2つの方向の流れは、貝の中で小さな交換流が起こるような典型的な状況として調べられた。Paraspiriferの良く保存された化石標本のポリカーボネート板を成形することで作った貝のレプリカのX線CT画像の画像処理を行うことで、貝のデジタル画像を構成した。流束の速度の効果を調べるために、周囲の流束の速度の3つの状況を背側と腹側の流束に適用した。貝の隙間に沿った圧力の分布から、全てのシミュレーションの場合における溝の周りで比較的高い圧力が生じることが示された。この高い圧力は、特に早い周囲の流束において、溝から流入と、それに続く螺旋の内部流を生み出した。このことから、溝は隙間の周りでかなりの圧力勾配を受動的に生み出し、安定した海水の取り込みと採餌のための貝の内部の水の螺旋の流れを生み出すことが示された。結論として、あるspirifer目の貝の形は受動的な採餌を促進するために、螺旋の流れを生み出し、溝は受動的な水の取り込みに重要な形態として解釈される。

 

印象的な図

Fig10. 貝の周りの流れのふるまいの図

 

雑記

腱鞘炎になりそう

進化的な方法による等温のDNA複製の要素の最小化

Hiroki Okauchi;...;Norikazu Ichihashi(2020.9, ACS Synth. Biol.)[Minimization of Elements for Isothermal DNA Replication by an Evolutionary Approach]

 

理由

ラボセミナーで紹介されてたので

 

概要

DNA複製は、細胞の中心的な役割のひとつである。現在のDNA複製系の複雑性から一つの疑問が生じる:より少ないタンパク質を用いてより単純な継続的な等温のDNA複製を達成することは可能?ここでは、進化的な方法を用いて、複製を探索した。phi29DNAポリメラーゼを用いた長期的な一連の希釈実験を通じて、大きな繰り返しDNAsが突如として現れ、複製が継続的に起こることを発見した。この繰り返し配列は複製に重要である。これらが多くの繰り返しを持つとき、任意の配列は複製できる。さらに、10回のDNAから発現されたポリメラーゼを用いて継続的なDNA複製を示した。本研究から、継続的な等温のDNA複製は、現在の生物によって用いられる方法より単純に達成されることが解明された。このことから、より単純な人工的な細胞合成の代替戦略と、DNA複製の可能性のある初期形態のヒントが与えられた。

 

雑記

寒いと気が塞ぎ込みますね

有櫛動物における発光基質セレンテラジンの新しい生合成の証拠

Manabu Bessho-Uehara;...;Steven H.D. Haddock(2020.12, iScience)[Evidence for de novo Biosynthesis of the Luminous Substrate Coelenterazine in Ctenophores]

 

理由

Twitterで見かけた気がする

 

概要

セレンテラジンは、海の生物発光に関係する重要な基質である。生物発光は少なくとも9つの系統で光を産生するのに用いられる。ヒドロクラゲ類オワンクラゲ族のように、発光生物の中には、内因的にセレンテラジンを産生する能力を失う代わりに、食事源に依存するものもいる。供給源の生物とセレンテラジン生合成の代謝過程についてはほぼ知られていない。ここでは、海の生態系におけるセレンテラジンの産生者と供給者が有櫛動物であるという証拠を示す。生化学解析と質量分析解析を用いて、非蛍光性のセレンテラジンのない食事で培養した有櫛動物からセレンテラジンを検出した。有櫛動物は、セレンテラジン生合成と生物発光の研究の現存するモデル生物であることを示す。

 

雑記

僕も光りたい

中国江蘇における結核に対する汚染環境の効果のモデリング

Yongli Cai;...;Weiming Wang(2021.1, Journal of Theoretical Biology)[Modelling the effects of the contaminated environments on tuberculosis in Jiangsu, China]

 

理由

JTBを読もうね

 

概要

結核(TB)は中国江蘇州においてまだ重要な健康問題である。本研究では、TB伝染ルートとTB発症の統計データに基づいて、TB伝染ダイナミクスに対する汚染環境の効果を説明する新しいTB疫学モデルを構築する。この研究の価値は2つある。数学的に、基本再生産数R0を定義し、R0がこのモデルに閾値ダイナミクスを支配するのに用いられうることを証明する。疫学的に、R0の年平均が1.13で1を上回り、江蘇におけるTBが風土病であることを発見した。したがって、江蘇におけるTBを操作するためには、ウイルス減少量を減少させるか、環境のクリアランス率を増加させる必要がある。

 

雑記

さむい、以外の感情が起こらなくなった