これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

銀河系の形成における宇宙シミュレーション

Vogelsberger, M.,... Ewald P (2022.1, Nat Rev Phys )[Cosmological simulations of galaxy formation.]

 

理由

自分のセミナーで使いたい資料

 

概要

近年数十年間、銀河形成の宇宙シミュレーションは宇宙における構造と銀河形成の理解を進めるのに役立っている。これらのシミュレーションは銀河系の非線形的発展を追い、膨大な時間と長さのスケールで様々な物理過程をモデル化する。数多くの方法の向上と計算能力の増加により、大量に観察される銀河形成を再現できるシミュレーションを導いてきた。現代のシミュレーションは、よく定義された初期条件から始まる膨張する時空間で、暗黒物質、暗黒エネルギー、通常の物質をモデル化しています。通常の物質の要素に影響する物理家庭の配列が大きいため、通常の物質のモデリングは困難である。宇宙シミュレーションは、代替の宇宙モデルと、それらの銀河系に対する影響を調べるために有効であることも示されている。この技術総説では、銀河形成とそれらの様々な応用に関する宇宙シミュレーションの方法論について簡潔な概要を与える。

 

印象的な図

Fig.1 いくつかの構造と銀河系シミュレーションの視覚的表現

 

雑記

パターン形成は楽しいなぁ(こなみ)

LPS刺激されたTreg細胞とIL-10によるヒトIL-10誘導性好中球の誘導

Lewkowicz N;..; Lewkowicz P.(2016.3, Mucosal Immunol.) [Induction of human IL-10-producing neutrophils by LPS-stimulated Treg cells and IL-10.]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

最近の証拠から、微生物感染中の好中球が果たす意外な抑制的な役割が解明された。この役割の特に面白い側面は、好中球がリポポリサッカライド(LPS)で刺激された制御性T細胞(Treg)との相互作用にしたがってインターロイキン(IL)-10を産生することである。本研究では、直接の細胞間接触を必要とするLPS刺激されたTreg細胞によって、好中球におけるIL-10産生が誘導されることを示す。この効果はCD11bと細胞間接着分子1の結合に依存した。LPSで好中球を刺激したり、刺激しないTreg細胞と好中球を培養したりしても、CD3/CD28モノクローナル抗体刺激されたTreg細胞や典型的なT細胞は細胞内IL-10発現に影響しなかった。IL-10+好中球も外因性IL-10によって誘導され、正のフィードバックの例を与える。LPS刺激されたTreg細胞と外因性IL-10の両方が排他的に、好中球においてIL-10遺伝子座を活性化するヒストンH3K4me3とH3Ac Lys4の転写後修飾を促進した。しかし、LPS刺激されたTreg細胞との直接的な相互作用を阻害した後、あるいはLPS刺激されたTreg細胞と培養したLPS前処理された好中球において、IL-10遺伝子のプロモーターは休止状態で不活性であった。さらに、グラム陰性細菌で誘導した歯周膿瘍患者の生体内でIL-10を産生する好中球が存在することを確認した。これは視神経脊髄炎患者における無菌性炎症箇所で単離された好中球とは反対の結果である。

 

雑記

これは入れないでおこう

矛盾した刺激下でのIL-10駆動性のマクロファージ表現型の制御

Chuang Y;...;Leonard JN.(2016.11, Innate Immun.) [Regulation of the IL-10-driven macrophage phenotype under incoherent stimuli.]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

マクロファージは、異なる表現型へ機能的に「両極化」することで健康と疾患に中心的な役割を果たす、遍在的な自然免疫細胞である。この機能は、従来の炎症反応(M1)と炎症抑制と創傷治癒を促進する新しい反応(M2)に大きく分けられる。マクロファージは魅力的な治療標的であるが、両極化の理解が不完全であるため、臨床操作ができない。両極化に関与する個々の刺激、経路、そして遺伝子が同定されているが、マクロファージがどのように複数の多様な刺激で構成される生体内環境で複合物を評価しているのかはほとんど理解されていないままである。ここでは、個々に異なるマクロファージ表現型を促進する「矛盾した」刺激の組み合わせを用いて、このような複合的な刺激下で、免疫抑制的なIL-10駆動性のマクロファージ表現型がどのように誘導され、維持され、調整されるのかを解明した。IL-10誘導性の免疫抑制表現型はかなり優勢であったが、この表現型を維持するためには持続的なIL-10シグナリングを必要とした。さらにデータから、細胞内タンパク質BCL3がIL-10駆動性表現型の重要なメディエーターであることが示された。IL-12はIL-10処理したマクロファージの両極化に直接影響しなかったが、IFNγは生体内でIL-10駆動性の表現型を増強する正のフィードバックを阻害した。よって、この新しい組み合わせ刺激法はマクロファージの意思決定と局所免疫ネットワーク機能に関する新しい知見を生み出す。

 

印象的な図

Fig6.  マルチスケールネットワークによる矛盾した刺激の解明

 

雑記

この図一枚で救われる研究がある

マクロファージ活性化経路における複数の安定性と代謝への影響

Geiß C;...;Mora-Rodríguez RA.(2022.1, Cells) [Multistability in Macrophage Activation Pathways and Metabolic Implications.]

 

理由

ふと見つけた

 

概要

マクロファージは従来の炎症性(M1)と新規の抗炎症性(M2)状態を含む反対の幅広い活性状態をもつ自然免疫細胞である。マクロファージがどのように一つの状態と別の状態との遷移を制御するのかを解読することは、炎症性疾患とその関連の治療をより深く理解する鍵である。正のフィードバックや複数の負のフィードバックループのように、マクロファージ遷移に報告されている共通の制御モチーフはスイッチ様のふるまいを示すことから、系の双安定性が示唆されている。この総説では、4つの分子レベルでマクロファージの活性化経路における(双安定性も含めた)複数の安定性の証拠を探索する。

1つ目に、シグナル伝達における意思決定モジュールは、M1 (STAT1, NF-KB/p50-p65)とM2 (STAT3, NF-KB/p50-p50)シグナル経路の相互抑制を含む。2つ目に、遺伝子発現レベルでのスイッチ様のふるまいは転写因子とmiRNAsの複雑なネットワークモチーフを含む。3つ目に、これらの変化は代謝の遺伝子発現に影響し、エネルギー産生、NADPHとROS産生、TCAサイクル機能、生合成、そして窒素代謝を切り替える。4つ目に、代謝の変化はAMPKとmTOR活性を共役した代謝センサーによって監視され、M1やM2活性を促進するシグナルを維持することで安定性を与える。まとめると、代謝環境の調整を通じてマクロファージの遷移を反対にしたり阻害する有望な治療標的としての双安定的なハブを発見した。

 

印象的な図

Figure 1. マクロファージの活性化における複数の双安定性とヒステリシスの概念

 

雑記

Fig1(A)の概念図が好き。

2つのNF-kappaB活性化経路とそれらの自然免疫、獲得免疫における役割

Bonizzi G, Karin M.(2004.6, Trends Immunol.) [The two NF-kappaB activation pathways and their role in innate and adaptive immunity.]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

NF-κBは、イムノグロブリンκのL鎖のエンハンサーにおけるκB部位に結合するB細胞特異的な転写因子として記述された。その後すぐに、NF-κBの活性は全ての細胞種において誘導可能であることが発見され、今はNF-κB/Relファミリーのメンバーが免疫や炎症反応に関与する多くの遺伝子を制御することが知られている。最近まで、単一のNF-κBシグナル伝達経路のみが知られており、ここではNF-κB活性は腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インターロイキン-1(IL-1)のような炎症性サイトカインそして病原体関連分子パターン(PAMPs)によって刺激される。しかしながら2年前にNF-κB活性化を引き起こす2つ目の経路が発見された。この経路は代替経路として知られ、TNFサイトカインファミリーの特定のメンバーで活性化するが、TNF-α自身では活性化しない。最近の結果から、NF-κB活性化への従来と代替の経路は異なる制御機能を持ち、一方は主に自然免疫に、他方は獲得免疫に関与することが強く示唆されている。

 

印象的な図

Figure 2. 従来と代替のNF-κB経路

 

雑記

これも引用にいれよう

肺の免疫の時空間的な細胞ダイナミクス

Lelkes E;...;Krummel MF. (2014.8, Trends Immunol.) [The spatiotemporal cellular dynamics of lung immunity.]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

肺は、免疫細胞と組み合わさった複雑な構造である。正常と不完全な肺機能と免疫の4次元的な過程を理解することは、何世紀もの課題である。肺固有の問題は、最近までリアルタイムで細胞ダイナミクスを適切に県美挙で評価する方法が無かったことである。技術の出現のおかげで、吸入抗原が肺胞から気道へ輸送することを認識できた。傷害中の好中球の侵入の性質を理解し、炎症状態中の細胞間相互作用について学ぶ。肺発生と肺の転移ニッチに関する知見も集まっている。ここでは、進歩している肺イメージングの技術と、病態生理学研究へのメリット、そしてさらに発展が必要な領域を評価する。

 

雑記

ずっと学生で居たいけど、はやく暖かくはなってほしい

恒常的な免疫と微生物

Belkaid Y, Harrison OJ.(2017.4, Immunity.) [Homeostatic Immunity and the Microbiota.]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

微生物は、宿主の免疫系の誘導、教育、機能において基礎的な役割を果たす。見返りとして宿主の免疫系は、微生物との共生関係を維持する複数の意味を進化させてきた。この対話の維持によって、病原体に対する保護反応の誘導が可能になり、無害な抗原に対する持続的な寛容に関する制御経路を有効化できる。組織の免疫学的緊張を局所的にも全身的にも設定できる微生物の能力には、微生物の毒性感知と、免疫系の自然免疫と獲得免疫間の複雑なフィードバックが必要である。ここでは、これらの相互作用の優勢な細胞メディエーターをまとめ、宿主とその微生物間の恒常的な免疫対話の現在の理解に関して現れたテーマを議論する。

 

雑記

新しいトラックボールマウス、うれしい。