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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ヒト上皮細胞はTSLPを作ることで樹状細胞調節的なアレルギー炎症を引き起こす

Soumelis, V; Reche, PA; Kanzler, H; et al.(2002.7)[Human epithelial cells trigger dendritic-cell mediated allergic inflammation by producing TSLP]

理由
Atopic Dermatitisの引用文献の5位。

概要
上皮細胞がTh2型のアレルギー炎症を引き起こす免疫カスケードの誘発に重要かどうかは知られていない。
この論文では、ヒト胸腺リンホポエチレンがcD11c(+)の樹状細胞を強く活性化し、Th2誘因性のケモカインTARCとMDCの産生を起こすことを示す。TSLPによって活性化した樹状細胞はナイーブT細胞のアレルギー誘発性サイトカインIL4 IL5 IL13,TNF-aの分泌準備をさせ、IL10とIFN-γの活性を下げる。TSLPは上皮細胞、特にアトピー性皮膚炎の患者の角質細胞で高発現した。TSLPの発現は生体内でランゲルハンス細胞の移動と活性に関連していた。
これらの発見はヒトのTSLPの機能とアレルギー炎症の初期の上皮細胞と樹状細胞の役割について光明を与えた。

印象的な図
Fig.9 アトピー性皮膚炎の患者の上皮にはかなり大量のTSLPが含まれており、かつ通常上皮内にあるはずのランゲルハンス細胞がほとんど真皮にあった。

雑記
日曜だけど研究室。ワルモノなので神が休んでいる間に働く。