これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

成体ゼブラフィッシュの縞中の黒色素胞は集積する性質は持っていないが、動く場所があれば分散する

Takahashi, Go; Kondo, Shigeru(2008.12)[Melanophores in the stripes of adult zebrafish do not have the nature to gather, but disperse when they have the space to move]

 

理由

近藤先生シリーズ9

 

概要

動物の皮膚パターンはパタン形成のメカニズムを研究するために使われる良いモデルの一つである。ゼブラフィッシュの分子遺伝学により、縞形成のメカニズムには上皮細胞が主な役割をすることが示されてきた。このメカニズムに関係する多様な細胞のイベントのうち、黒色素胞の集積がパタン形成に重要であると言われてきた。しかしながら、生体内で黒色素胞が移動できるかを調べる研究は少ない。ここでは、黒色素胞がゼブラフィッシュの皮膚の中で本当に集積できるかの解明を目指す。成体の縞の黒色素胞は密に詰められてほとんど動けない。しかしながら、隣の上皮細胞が殺されると黒色素胞は動いて縞パターンを作り直すことから、黒色素胞は再び移動できる様になるといえる。移動を分析するために、レーザーで一部の黒色素胞を焼き、残った細胞に自由な空間を与え、その移動を追いかけた。予想通り、黒色素胞はお互いに反発し黄色素胞がない集積状況下では分散した。見た目上の集積は黄色素胞に対する強い抵抗力によって生まれるもので、この黄色素胞は黄色い縞の領域から黒色素胞を除く働きをもつ。

 

印象的な図

Figure 3.黒色素胞が移動する様子

 

雑記

朝からだらだらし、なんとなく気もそぞろである、