ゼブラフィッシュ成体の上皮縞パターンのにおけるDelta/Notchシグナリングの関係
Hamada, Hiroki;...;Kondo, Shigeru(2014.1)[Involvement of Delta/Notch signaling in zebrafish adult pigment stripe patterning]
理由
近藤先生シリーズ4
概要
ゼブラフィッシュの皮膚上皮パターンは生物学パターンの形成のメカニズムを研究するために良いモデルである。黒色素胞と黄色素胞の相互作用が成体の上皮縞の形成に重要な役割を果たすことは知られているが、これらの相互作用の分子メカニズムの大部分はまだ未知のままである。ここでは、Delta/Notchシグナリングがこれらの相互作用に貢献していることを示す。黄色の縞に存在する黄色素胞の焼灼によって黒縞の黒色素胞の死滅が誘導されたことから、黒色素胞は離れた黄色素胞からの生存シグナルを必要とすることがわかる。deltaCとnotch1aがそれぞれ黄色素胞と黒色素胞から発現されたことが分かった。さらに、Delta/Notchシグナリングを抑制すると黒色素胞が死ぬ一方で、黒色素胞で異所的にDelta/Notchシグナリングを活性すると、これらの細胞を生き延びさせることが出来る。これらはともに黄色素胞の焼灼の後Delta/Notchシグナリングを薬理的に抑制することで行っている。最終的に、細胞膜の生体内イメージングにより黒色素胞は黄色縞の黄色素胞に向けて長距離投射を示すことが分かった。これらのデータによってDelta/Notchシグナリングは黄色素胞から黒色素胞によって与えられる生存シグナルに関係することが示された。細胞内投射によって膜結合リガンドとそれらの受容体間の長距離の相互作用を可能にしているため、直接の細胞間接触と組み合わせたこのような投射が、伝統的な反応拡散(チューリング)モデルによって期待されうる拡散因子の効果の代わりになりうると考えられる。
印象的な図
Fig5. 長距離の投射
雑記
特に何もしないまま、休日が過ぎていく・・・。