これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

半翅目昆虫のベッコウハゴロモの翅脈パターンは個体ごとに異なる

Yoshimoto, Eiichi; Kondo, Shigeru(2012.8)[Wing vein patterns of the Hemiptera insect Orosanga japonicus differ among individuals]

 

理由

近藤先生シリーズ16-最終回-

 

概要

チューリングの反応拡散モデルは生物学者の間で徐々に受け入れられてきたが、モデルの応用はまだ限られている。実験的研究の蓄積によって、胚発生においてモルフォゲン濃度勾配モデルがほとんどのパターン現象を説明できることが分かった。これらの実験は数少ないモデル生物でのみ確かめられている。よって、発見されたメカニズムの原理が一般的に応用できるかは明らかではない。ハエの翅脈パターンはおおよそモルフォゲン濃度勾配メカニズムで決定される。(しかし)他のいくつかの種では勾配モデルが応用できないことを発見した。半翅目のベッコウハゴロモでは、個体ごとに独特なパターンをもつ。ベッコウハゴロモの翅脈は近位領域から放射状に伸び、遠位領域で翅脈を増やすために分岐する。興味深いことに、分岐場所はほとんどランダムであり、翅の端での翅脈の数は翅の大きさによって異なる。しかしながら、翅脈間の距離は平等に維持されている。RDモデルの計算機シミュレーションによってこれらの特性がモルフォゲン濃度勾配モデルに合わないことが示されたが、RDモデルに完璧に合うわけでもないこともわかった。この結果より、RDモデルはモルフォゲン勾配メカニズムが最近応用できると信じられている現象を説明できるかもしれないことが示された。

 

印象的な図

Figure3翅脈パターンと反応拡散シミュレーションの比較

雑記

近藤先生シリーズ堂々完結です。

でもこのAbstはRDモデルが完ぺきではないって言った後にモルフォゲン勾配モデルを説明できるって言ったり、結局何なのかわかりにくいな

 

追記(2020.06.19)

またラボででてきた。二回目みたら記録として追記を残すことにした