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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

アポトーシスによって局所上皮トポロジーが変わることで空間の競争が制御される

Tsuboi, Alice; ... ; Fujimoto, Koichi(2018.7)[Competition for Space Is Controlled by Apoptosis-Induced Change of Local Epithelial Topology]

 

理由

博論を読んでみんとす

 

概要

癌進行の初期段階では、癌細胞は周囲の正常組織によって押し付けられて空間制御を受けているにも関わらず広がっていく。これは"細胞競合"(いわゆる過当競争)と呼ばれる現象を通じて周りを囲む正常細胞(敗者)を選択的に殺すことで癌細胞(勝者)が広がると考えられる。敗者の除去のメカニズムは急速に明らかになっているが、勝者細胞は敗者のアポトーシスによって作られる空間をどのように選択的に占めているかは明らかでない。この論文では、ハエ上皮で(Yki/YAP活性化とRas活性化)の2種の異なるガン変異のライブイメージング解析とこのようなメカニズムを説明するような組織間メカニズムの計算機シミュレーションを組み合わせた。敗者細胞のアポトーシスの後の細胞量が、勝者細胞のより速い増殖によって単純に補完されるという以前の予想に反して、失った量は勝者の急速な拡大によって補完されることを発見した。機構的に、アポトーシス誘導性の上皮ジャンクション再構成によって急速な勝者優勢の細胞拡大が起こり、これは勝者の頂端表面領域の選択的な増加の方法によって局所的な細胞接着性(細胞トポロジー)の再接続を起こす。敗者の除去の反復は時間が経つにつれトポロジー変化を通じて組織レベルの勝者の拡大を早めることが計算実験により確かめられた。敗者の死亡と勝者の拡大の関係について提案するメカニズムは組織の恒常性の崩壊があるガン遺伝子の変異によってどのように始まるかについての新しい知見を与える

 

印象的な図

Figure4- i 細胞の辺の数、面積の違いなどを表したもの

 

雑記

早起き生活も2週目に入った。寒さが最大の敵である。