これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

花器官の数における確率性の発生原理

Kitazawa, Miho S.; Fujimoto, Koichi(2014)[A developmental basis for stochasticity in floral organ numbers]

 

理由

博論シリーズ3

 

概要

確率性は、分子特徴から多細胞形態特徴まですべてのレベルで偏在的かつ必然的に現れる。生化学反応における本質的な確率性は典型的な細胞間の化学濃度勾配、例えばモルフォゲン勾配モルフォゲン勾配などに現れ、これにより確率的形態形成が起こる。生化学レベルでの確率性のもとになる普遍的な確率とメカニズムは広く分析されてきた一方で、形態レベルではまだ分析されていない。このような形の確率性は花器官の数に見られる。花器官の数は花の種の特徴であるが、個々の植物内でさえ確率的に分布する。集団内の花器官数の確率分布は大抵非対称である、すなわち確率変数の最頻値から減少するのではなく増加しやすいし、逆もまた然りである。フィールド調査、統計解析、そして数理モデルを組み合わせてキンポウゲ科と主要な真正双子葉植物のいくつかの科から50種間の花器官数における多様性の発生原理を調べた。6つの仮説的なメカニズムを比較して、修正した誤差関数が真正双子葉植物の花器官数で見られる非対称分布の多くを再現することがわかった。誤差関数は花器官の位置の数理モデルに由来しており、そのパラメーターは花芽形態における測定可能な距離を表している。モデルは器官数分布の2つの発生源、すなわちホメオティック遺伝子の発現境界の確率的な移動と、半同心円の器官配置をの発生源を予測する。他のモデルは種、または器官特異的に異なる発生過程を反映する異なるタイプの分布を再現した。器官数の多様性は器官運命決定と期間配置における確率性の指標になるかもしれない。

 

印象的な図

figure4 花器官数の分布の非線形近似

 

雑記

博論として、代わりにそのときに出してた雑誌論文を読んでいたのだけれど、しかし博論をオンラインで読める大学公式ページを見つけてしまったのでそちらも読むことになってしまった。

さらに、作業用BGMとして化物語を聞いているものだから、雑記が維新っぽくなってしまった。