これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

シュペーマンオーガナイザーシグナルの胚サイズ依存的な減少による背腹パターニングの拡大縮小

Inomata, Hidehiko(2013)[Scaling of Dorsal-Ventral Patterning by Embryo Size-Dependent Degradation of Spemann's Organizer Signals]

 

理由

生物での反応拡散やってる論文を読みたくなったので

 

概要

シュペーマンオーガナイザーは、腹側化する骨形態形成タンパク質(BMPs)の拮抗物質であるコーディングのような拡散タンパク質の分泌による両生類胚の背腹(DV)パターニングに重要な役割を果たす。DVパターニングはとても頑健なので、腹側半分を外科的に除去した両生類胚は小さいが、全体のバランスが保たれた幼生に発生する。この論文では、この頑健なパターニングが促進されたコーディン減少によって起こり、反対側でのコーディンタンパク質分解酵素の抑制物質であるSizzledの発現を必要とすることを示す。Sizzledは安定で、DV軸にそって広く拡散し、コーディンを安定化し、腹側へその分布を広げる。同様に、この拡大したコーディンの分布はBMP依存的なSizzledの産生を限定し、コーディン活性を作る軸幅のフィードバックループを作る。二分探索解析により、コーディンの減少が胚サイズと共役したSizzledの蓄積によって動的に制御されることが分かった。DVパターンを胚軸のサイズに合わせた比率にできるスケーリングモデルを提案する。

 

印象的な図

Graphic Abst:胚サイズとスケーリングの関係をSizzledとChordin勾配で結びつけている

 

雑記

こんな良い論文を書くLast authorが亡くなられたことを悔やむほかない