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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

格子構造の集団における協力の進化

Nakamaru, M;...;Iwasa, Y(1997.1)[The evolution of cooperation in a lattice-structured population]

 

理由

「生命の数理」執筆者の巌佐庸先生シリーズ第一弾

 

概要

個人が局所的に隣人としか相互作用できないような、格子構造の場所における無関係な個人間の協力の進化が研究された。初期の集団にはしっぺ返し(TFT,協力戦略を示す)と完全欠損(AD, 利己的な戦略を示す)が格子点上に無作為に分布している。各人は最も近い隣人と囚人のジレンマゲームを繰り返し、全体の清算が即時死亡率を決定する。個人が死んだあとすぐに、その場所は無作為に選ばれた隣人のコピーで置き換えられる。平均場近似、対近似、そして計算機シミュレーションに基づいた数理的解析を行った。1次元、2次元の通常の正方形格子のモデルを調べ、完全な複合モデルと比較した。以下に結果を述べる。(1)1次元モデルでは、最終的にTFTが強いクラスターを形成した。繰り返し確率 w を増加させると、TFTは広がりやすくなる。TFTが増加するような状況は平均場近似ではなく対近似によって正確に予測される。(2)wが充分大きければ、TFTはADの集団を侵略して広がるが、ADが常にESSであるような完全複合モデルではこれは不可能である。この結果は侵略確率分析によっても確かめられた。(3)2次元格子モデルはいくらか、1次元モデルと複合モデルの間のふるまいを示す。(4)空間構造は2つの異なる方法で協力の進化の状況を調整する。つまり、偶然隣人間で正の相関ができることによって、空間構造は協力の進化を促進する。一方で、隣人を殺し、置き換えることでADが有利になると、協力は阻害される。

 

雑記

キャリアデザインの授業に行ったら、自分が人生で重きを置いていることが「自由・達成感・柔軟性・体験・趣味」であることが白日の下に晒され、働く気が無いことがばれてしまった。