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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

アテローム性動脈硬化の初期段階の常微分方程式モデル:免疫反応のメカニズム

Anna Ougrinovskaia:...;Mary R. Myerscough(2010.8)[An ODE Model of Early Stages of Atherosclerosis: Mechanisms of the Inflammatory Response]

 

理由

アテローム動脈硬化症の反応拡散モデルについての論文を読んでから、また別の著者で似たものを見つけたので。

 

概要

 アテローム動脈硬化は大血管の慢性疾患であり、脂肪質コレステロールでいっぱいになった筋と、動脈壁内に血小板が蓄積しているのが特徴である。過去10年で創傷形成の全ての段階で炎症が重要な要素であると分かってきたが、関連する多くのメカニズムはまだ十分に理解されていない。この論文では、アテローム動脈硬化での炎症の働きを探るために単純化した常微分方程式モデルを示す。モデルは二つの主な創傷構成要素を組み込んでおり、その二つとは、コレステロール運搬の変性低密度リポタンパク質(LDLs)とマクロファージ泡沫細胞である。これらの複雑な相互作用をまとめて一般関数にして、位相面解析とシミュレーションを使って長期間のモデルのふるまいを調べた。結果により、マクロファージが変性LDLを摂取する根本的なメカニズムが傷の細胞動態に大きな影響を与えうることが示唆される。モデルにより、傷の不安定性を動かすのは変性LDLの流入の増加ではなく、マクロファージ増殖と血管内皮細胞への一定の信号であることが示された。

 

印象的な図

Figure2. アテローム動脈硬化の進行メカニズムの図

 

雑記

冬眠中なので食欲の減退が激しい