ナフトキノンとその環境的意味のケミカルバイオロジー
Kumagai, Yoshito;...;Cho Arthur K.(2012)[The Chemical Biology of Naphthoquinones and its Environmental Implications]
理由
三浦先生シリーズ3
概要
キノンは炎症や抗炎症、そして抗ガン反応を促進したり、毒性を誘導するための生物システムと相互作用する、反応性の高い有機化学種のグループである。この総説は1,2- そして 1,4-ナフトキノンとその誘導体の化学、生化学、そして細胞の効果を示す。ナフトキノンは天然物、または環境化学物質として普及していることから特に注目されており、燃料やタバコの燃焼産物として大気中に存在する。1,2- そして1,4-ナフトキノンはナフタレンの毒性代謝物でもあり、ナフタレンは外気中に存在する主要な多環芳香族炭化水素でもある。キノンは2つの反応を通じて反応を起こす;1つは活性酸素へと酸素を減らす酸化促進剤として;そして組織の求核剤と共有結合を形成する求電子物としてである。これらの反応の標的は、タンパク質チロシンキナーゼやKelch様ECH結合タンパク質1やNF-E2関連因子2の制御タンパク質、そしてグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(NADP+)を含む。制御タンパク質におけるこれらの反応を通じて、キノンは炎症反応や細胞損傷に対して促進したり守ったりする多様な細胞シグナリング経路に影響する。これらの反応は特異的なキノンとその濃度によって異なっている。環境化学物質としてのナフトキノンに晒される影響はその物理状態によって変わりうる、すなわちキノンが束縛粒子であるか、気相状態かである。大気汚染物質による肺疾患の増悪は部分的にはキノン反応が原因である可能性がある。
雑記
今回は東京からお送りしています。