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大脳新皮質の発生に関与するHedgehogシグナリング

Komaba, Munekazu;...;Ishibashi, Makoto(2008.8)[Hedgehog signalling is involved in development of the neocortex]

 

理由

三浦先生シリーズ4

 

概要

Sonic hedgehogの機能は特に、中央神経系の腹側領域においてパターニングと細胞運命決定に必要不可欠である。これは小脳顆粒ニューロン前駆体の重要な分裂促進因子でもあり、出生後終脳における幹細胞ニッチの維持にの重要である。発生中の背側終脳でShhが発現していることは報告されていたが、この領域でのShhの機能は不明であり、生体内でのShh mRNA転写産物の詳細な特徴は示されていない。背側外套(大脳新皮質原基)におけるShhシグナリングの役割を明らかにするため、Emx1(cre)マウスを用いて背側終脳の初期発生に特異的なShhSmo遺伝子をノックアウトした。変異体はE18.5で小さめの背側終脳を示し、それは神経の前駆体/幹細胞の細胞周期動力学によって生じていた。前駆体/幹細胞の細胞周期の長さが長くなっており、周期を出た細胞の数と神経発生が減少していた。Birth- date解析によって変異体はニューロンの位置が以上であることが分かった。脳室下帯や脳室帯、皮質版の特性も影響を受けていた。Shhの弱い免疫反応性も野生型の背側終脳で観察された。変異体の背側終脳でShhの免疫反応性が減少していたことも上記の表現型を支持する。これらの結果によって、Shhシグナリング大脳新皮質の発生に重要な役割を果たすことが示された。

 

雑記

ルノアール vs セザンヌ