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骨髄由来の間葉幹細胞の肺内送達はマウスにおいて、生存を促進しエンドトキシン誘導性の急性肺障害を弱める

Gupta, Naveen;...;Matthay, Michael A.(2007.8, JOURNAL OF IMMUNOLOGY)[Intrapulmonary delivery of bone marrow-derived mesenchymal stem cells improves survival and attenuates endotoxin-induced acute lung injury in mice]

 

理由

抗炎症性サイトカイン3

 

概要

最近の生体内外の研究によって、間葉幹細胞(MSC)は抗炎症性を持つことが示されてきた。この研究では、E.coliエンドトキシンの肺内投与4h後にMSCを肺の気腔に投与した効果を調べた。48h後、コントロールとしてPBS処理したマウスに比べてMSCはマウスの生存率を高めた。さらに、MSC処理マウスでは、以下のものに有意な減少が見られた;過剰な肺水、肺水腫の大きさ、気管支肺胞タンパク質、内皮と肺胞上皮の透過率である。これらの保護効果は、線維芽細胞やアポトーシスMSCを用いても再現されなかった。MSCのこの有効な効果は肺で細胞に付け加えられた能力とは無関係であり、MSCによるエンドトキシン除去とは無関係であった。MSC投与はエンドトキシンに対する炎症性反応の抑制を調節する一方で、抗炎症性サイトカインIL-10を増加させる。MSCと肺胞マクロファージとの生体外共培養研究によって、抗炎症性効果は直接ではなく、傍分泌であることが示された。結論として、間葉幹細胞MSC処理はエンドトキシン誘導性の急性肺障害を驚くほど減少させ、マウスの生存を促す。

 

雑記

 秋ごろに始めた当ブログも、そろそろ春を迎えようとしています。