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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

TNFは自己免疫調節性脱髄における強力な抗炎症性サイトカインである

Liu, JL;...;Bernard, CCA(1998.1, NATURE MEDICINE)[TNF is a potent anti-inflammatory cytokine in autoimmune-mediated demyelination]

 

理由

抗炎症性サイトカイン6

 

概要

多発性硬化症(MS)は局所領域の脱髄化が特徴的な中枢神経系の炎症性疾患である。MSの病因はほとんど分かっていないが、ミエリン抗原に対する反応が症状の進行に寄与することが一般的に知られている。ミエリン破壊を起こす分子的な調節因子と同様に症状の正確な流れはまだ明らかではない。MSの病因と、その動物モデル、実験的自己免疫性脳脊髄炎において、炎症の強力な調節因子として細胞変性サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF)が強力な候補と考えられてきた。しかしながら、免疫調節的な脱髄におけるその機能は明らかになっていない。ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)によって引き起こされるMS様症状の病因に対するTNFの相関を決めるために、TNFを指定する遺伝子の相同な破壊があるマウスを調べた。この論文では、MOGを持つタンパク質の免疫付与において、TNFのないマウスで、高い死亡率、過剰な炎症、そして脱髄化といった重度の神経障害が発達することが分かった。さらに、TNF遺伝子の不活化はMOG抵抗性マウスを高い感受性に変換することが分かった。さらに、TNF治療によって、MOG誘導性疾患に対する高い感受性を持つTNF-/-マウスやTNF+/+マウスの両方において症状の程度がは大幅に減少する。これらの結果によって、TNFは炎症性、また脱髄化の傷の誘導と発現には必要ないが、重度のCNS病因の程度と持続に限界を与えるものと考えられる。

 

雑記

とても役に立つ from

[臨床講義 (名古屋大学 昭和 57 年)医学診療について](

http://naikagaku.na.coocan.jp/Int.Int.MedPDF/H005.pdf

)

 

etiology:疾病形成へと踏み切らせてしまった最初の直接的な力の内容
pathogenesis:etiology によって疾病が成立してくる過程、疾病の成り立ち

「 A 君が床に落として、皿を粉みじんにした」できあがった疾病事態は粉みじんになった皿です。etiology は A 君、pathogenesisは床への落下です。