IL-31:アトピー性皮膚炎におけるT細胞と掻痒との新しい関連
Sonkoly, E;..;Homey, B(2006.2, JOURNAL OF ALLERGY AND CLINICAL IMMUNOLOGY)[IL-31: A new link between T cells and pruritus in atopic skin inflammation]
理由
ケモカイン7
概要
背景:IL-31はトランスジェニックマウスにおいて激しい掻痒と皮膚炎を誘発する新しいT細胞由来のサイトカインであり、そのシグナルはIL-31受容体AとオンコスタチンM受容体で構成されるヘテロ二量体を通じて伝達される。
目的:掻痒性と非掻痒性の炎症性皮膚疾患におけるヒトIL-31の役割を調べる
方法:健康なヒトと慢性皮膚疾患の患者の皮膚サンプルにおいて定量的リアルタイムPCRを用いてIL-31の発現を調べた。最も高いIL-31レベルは結節性痒疹において見られた、この症状は最も掻痒性を示す慢性皮膚炎症の一つである。生体内では、アトピー性患者においてブドウ球菌のスーパー抗原が急激にIL-31発現を誘導した。生体外では、ウイルスではなくT(H)1とT(H)2サイトカインではなく、ブドウ球菌エンテロトキシンBが白血球でIL-31を誘導した。アトピー性皮膚炎の患者においては、活性化した白血球は健康なヒトと比較してIL-31を有意に高く発現していた。IL-31受容体Aは皮膚の感覚ニューロンの細胞体が住んでいる場所を示す後根神経節で最も豊富に発現していた。
結論:この発見によって、アトピー性皮膚炎の患者においてブドウ球菌の群生、それに続くT細胞の補充/活性、そして掻痒の誘導との新たな関係が与えられた。これらを考慮すると、これらの発見によってIL-31は抗掻痒薬の開発の新たな標的を示す可能性があることが分かった。
雑記
私は彼が国民の象徴かつ優秀な魚類学者であるが故に、一人の生物学者として戦闘機の片道切符を握る覚悟を持ちこの国を愛したが、象徴が生物学を愛さぬとなれば、最早この国に固執する理由も無いように思われる。