これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

Th17サイトカインIL-17とIL-22は炎症性と角質細胞応答経路を直接調整する。

Nograles, K. E.;...;Krueger, J. G.(2008. 11, BRITISH JOURNAL OF DERMATOLOGY)[Th17 cytokines interleukin (IL)-17 and IL-22 modulate distinct inflammatory and keratinocyte-response pathways]

 

理由

皮膚炎シリーズ13

 

概要

背景.尋常性乾癬はTh1とTh17サイトカインによって調節される炎症性皮膚疾患であるが、症状の病態におけるIFN-ganma、IL-17、IL-22の相対的な貢献はまだ知られていない。

目的.この研究では、正常な皮膚での皮膚常在性T細胞によって産生されるサイトカインを同定し、これらのサイトカインの受容体を局在させ、これらのサイトカインが同じようにふるまう受容体細胞の遺伝子発現をどのように変化させるかを調べる。

方法.T細胞サイトカイン産生を上昇させるために細胞間サイトカイン染色とフローサイトメトリーを用い、皮膚のサイトカイン受容体を局在させるために免疫組織染色と二重ラベル免疫蛍光染色を用いた。サイトカイン処理した角質細胞の遺伝子アレイ解析は、Benjamini-Hochberg法を用いてミス発見率を調節するmoderated paired t-test を使って行った。

結果.IL-17とIL-22、IFN-ganmaを産生するヘルパーT細胞は同じサイトカイン受容体を持つ細胞と同様に、正常なヒトの皮膚に存在する。IL-17で刺激された角質細胞はIFN-ganmaによって誘導される異なるケモカインを発現し、これはおそらく乾癬障害部位に記憶T細胞や樹状細胞、好中球の浸潤に寄与するだろう。逆に、IL-22は角質細胞の分化に関連する遺伝子を抑制し、器官型の皮膚モデルにおいて表皮に変化を起こした。

結論.結果により、Th17サイトカインIL-17とIL-22は乾癬表現型に寄与する下流の経路を直接調節する。IL-17はより炎症性である一方で、IL-22は角質分化を阻止する。

 

雑記

怒涛の一日だったし、疲れからたらふく呑んで肝臓を傷めた