これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

損傷部位の角質細胞におけるピログルタミン酸レベルもしくはカスパーゼ14発現は、アトピー性皮膚炎において症状の重度や皮膚バリア機能、そして損傷の炎症と関連がある。

Minyoung Jung;...;Eung Ho Choi(2014, Journal of Dermatological Science)[Pyrrolidone carboxylic acid levels or caspase-14 expression in the corneocytes of lesional skin correlates with clinical severity, skin barrier function and lesional inflammation in atopic dermatitis]

 

理由

埋もれ論文9

 

概要

背景

アトピー性皮膚炎の乾燥皮膚は主に上皮角質層におけるセラミドや、ピログルタミン酸(PCA)を含む天然保湿因子の欠失によるバリア不完全性の結果である。カスパーゼ14はフィラグリンモノマーを自由アミノ酸やPCAのようなそれらの派生物に切ることで、天然保湿因子に寄与する。角質細胞におけるサイトカインはAD患者の皮膚炎の重度を表す。

目的

全部で73人の被験者が登録された。21人は軽度のADであり、21人は軽度から重度のAD、13人はフィラグリン遺伝子(FLG)変異のネガティブコントロールとしてのX連鎖劣勢魚鱗癬(XLI)、そして18人は健康なコントロールである。皮膚バリア機能として基底上皮間水分喪失量(TEWL)、上皮角質層(SC)水和と皮膚表面pHを測定した。角質細胞を集めるために、D-squame disk で損傷部位と非損傷部位をはがした。それからPCAはD-squame disk から単離し、LC-MS/MSで定量した。サイトカイン解析を行った。

結果

AD患者においてPCAの定量とカスパーゼ14は非損傷部位と比べて炎症損傷部位で減少していた。そしてAD患者の損傷においてPCAとカスパーゼ14の量は湿疹範囲によって定義される症状の重度や重度指標スコア、そして皮膚バリア機能と相関があった。さらに、TNF-αとIL-13の発現はPCA定量と逆の相関があった。

結論

AD患者の損傷部位の角質細胞におけるPCAとカスパーゼ14の定量は症状の重度や皮膚バリア機能、そして損傷炎症の進度を反映する。

 

印象的な図

Fig6. TNF-αの定量 炎症部位と非炎症部位のタンパク量が書いてある。

非炎症部位は0.1-0.3pg/mg、炎症部位はだいたい0.8pg/mgくらい。

 

雑記

研究に使うのにCとPython、研究室のHPにhtml、研究室のゲーム開発にJavaをやる可能性が出てきて、いよいよ自分が何屋さんなのかわからなくなってきた。