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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

乾癬の病理における角質細胞と免疫細胞の相互作用

Cristina Albanesi;...Giampiero Girolomoni(2018.7, frontiers in immunity)[The Interplay Between Keratinocytes and Immune Cells in the Pathogenesis of Psoriasis]

 

理由
角質細胞の免疫的働きを知りたかったので

 

概要
乾癬は、遺伝的・後遺伝的・環境的・そして生活習慣的要因の結果起こる、慢性炎症性皮膚障害である。今日では、乾癬の免疫病理的なメカニズムがいくつか解明されており、最近のモデルでは自己反応性T細胞と皮膚常在性角質細胞との相互作用によって病気の開始、進行、そして持続の炎症免疫回路が起こる。角質細胞由来の自己抗原(LL37 カテレシジン/核酸複合体など)がいくつか発見され、これはT細胞、特にIL-17産生T細胞、Th1とTh22細胞の活性化を引き起こす可能性がある。一方、皮膚病変部位で分泌されるリンフォカインは角質細胞の活性化と炎症性分子の産生に重要な役割をしている。この炎症性分子は次に局所的な免疫応答を増幅させる。T細胞由来のサイトカイン依存的なシグナル伝達経路を活性化するように角質細胞が本質的に遺伝的変異することも重要である。最近の総説では、乾癬における炎症と免疫反応の開始と維持における免疫細胞と皮膚常在性角質細胞の異常な相互作用が強調されている。

 

印象的な図
Figure 1. 乾癬における角質細胞と免疫細胞の異常な相互作用

 

雑記
私がタンパク質の構造とか分子量みたいな"物質的"なものではなく数理モデルとかシステムとかの"性質的"なものに惹かれるのは、昔からシュールレアリスムとか印象派の絵ばかり好きだったからかもしれない