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南東アジアにおける高リスク都市の幼児におけるアトピー性皮膚炎の初期予防に対する部分的に加水分解されたホエイプロテイン処方の費用有効性

Botteman, Marc;Detzel, Patrick(2015)[Cost-Effectiveness of Partially Hydrolyzed Whey Protein Formula in the Primary Prevention of Atopic Dermatitis in High-Risk Urban Infants in Southeast Asia]

 

理由

アトピー性皮膚炎・数理モデルを含んだ論文

 

概要

背景:アトピー性皮膚炎(AD)は幼児の間で最もよく見えられる皮膚状態の一つである。牛乳で見られるタンパク質(CMF)を処方すると、特に家族性のAD遺伝性を持つ用幼児はADリスクが高くなることが知られている。

目的:この研究の目的は、フィリピン、マレーシア、シンガポールで17週の、高リスク、非排他的な母乳栄養の都市の幼児に対し、標準的なCMFの代わりに部分的に加水分解されたホエイを基にしたの処方(PHF-W)で授乳することでAD発生を減らす経済的な効果の評価を比較することであった。

方法:数理モデルで、各国におけるPHF-Wを用いている生後から6年目のAD発生率とその重度を、ドイツの幼児栄養研究から得たデータの標的集団に対するCMFと比較してシミュレーションした。モデルには文献と現在原価そして市場データ、さらに臨床医の意見を統合した。モデルの結果にはADリスク削減、AD診断後の時間、AD症状が無い日数、質調整生存年(QALYs)そして(直接的・間接的)コストである。結果は1年ごとに3%効果を減じた。コストはUSDで表した。

結果:国ごとに異なるが、CMFの代わりにPHF-Wを授乳した幼児では、ADリスクが約14%削減し、1人あたりのAD診断後の時間が0.69年になり、AD症状が無い日数は16-38日、質調整生存年(QALYs)は0.02-0.04増加した。CMFと比較したPHF-W授乳幼児の一人当たりのADに関連した6年間の経費節約はシンガポールで739USD,マレーシアで372USD,フィリピンで237USDと推定された。

 

雑記

[世界は広いけど 大切はちっちゃい]という歌詞、真理を突いている。