これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

2. 生まれるパターン

西浦廉政(2003.2, 岩波書店)[自己複製と自己崩壊のパターンダイナミクス]

 

理由

理論の勉強

 

概要

チューリングの発見

相互作用し、安定な平衡点を持つ2つの異なる物質の拡散の速さに違いがあれば、これらが拡散しつつ反応すれば、平衡点は不安定化し、かわりに空間非一様なパターンが出現する。

2.1 不安定性をもたらす拡散

離散ランダムウォークから拡散へ

1次元直線上を確率pで右に、確率qで左に移動する粒子の時刻t、場所xに存在する確率分布の差分方程式をテイラー展開して極限をとる。

ここでは、単独の拡散が一様あるいは平滑化を促すことが示されている

拡散誘導不安定性

・活性-抑制系(フィッツフュー・南雲型) 基質-消費系

抑制(基質)因子の拡散速度が活性(消費)因子の拡散速度より速いときにのみ不安定性が起こる。

拡散誘導不安定化とは、拡散係数の違いが異方的な縮みをもたらすことにより反応項のベクトル場に内在していた不安定化を引き起こした結果である

注意

1. 任意の安定平衡点から拡散不安定性は起こせない

2. 不安定解からの分岐

3. 時間スケールの分岐 - 遅い自由度と中心多様体

 

2.2 拡散移動がもたらすパラドックス効果

拡散誘導死滅:ロトカボルテラ系において、等しい拡散係数であっても拡散による「縮み」そのものによって解がセパラトリクス(分水嶺)を越え、劣勢種が優勢種に勝つ

 

2.3 時空間対称の破れ

ホップ分岐:時間方向の対称性破壊分岐

チューリング-ホップ分岐:時空間の対称性破壊分岐

 

雑記

実に129日ぶりの理論の勉強(春の間にがんばるぞ)