これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

シロイヌナズナにおける概日時計制御型の負のフィードバックループの要素としての核RNA結合性タンパク質AtGPR7

 CHRISTIAN HEINTZEN;...;DOROTHEE STAIGER(1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA)[AtGRP7, a nuclear RNA-binding protein as a component of a circadian-regulated negative feedback loop in Arabidopsis thaliana]

 

理由

植物の周期について

 

概要

概日リズムを動かす内在時計は下流転写の回路を介して細胞内の時間情報を伝えると考えられている。シロイヌナズナにおけるグリシンリッチRNA結合型タンパク質Atgrp7を指定する転写が午後にピークになるように概日振動している。AtGRP7タンパク質が高濃度で蓄積するときAtGRP7タンパク質も時間遅延をともなう循環を持つのでAtgrp7転写量は減少する。AtGRP7タンパク質濃度が最低値を下回った後、Atgrp7転写が再蓄積するように始まる。トランスジェニックシロイヌナズナにおいて、AtGRP7を過剰発現させると、内在性Atgrp7転写の循環が著しく減少する。これらのデータによって、安定な振動を生み出すことができる負のフィードバック循環の要素としての転写とタンパクの両方が確立された。AtGRP7過剰発現によって、関連するRNA結合型タンパク質AtGRP8を指定する概日時計制御型転写の振動も減少したが、cabやカタラーゼmRNAsのような転写の振動には影響しなかった。AtGRP7の自己制御性ループがシロイヌナズナにおける“奴隷”振動子を示し、これが中枢の"マスター"振動子からの時間的な情報を受けとり、負のフィードバックによるリズム性を保存し、時計調節型の転写のサブセットを制御することで出力に伝達することを提案する。

 

印象的な図

最近、理系博士の人と飲んで酒が回ると、勢い余って生物学の今後について吐露してしまうのがやめられない。