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平滑筋組織における力の分布とマルチスケールのメカニズム

NoyCohen(2020.4, Journal of Theoretical Biology)[Force distribution and multi-scale mechanics in smooth muscle tissues]

 

理由

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概要

健康的に機能するうえで、多くの生理学的過程における平滑筋組織の機械的役割は必須である。この研究では、平滑筋組織反応を支配する根底のメカニズムのより深い理解を与える。特に、微小構造を通じた受動的また能動的な力の伝達と分布をモデル化し調べる。大まかに、平滑筋細胞は2種類の耐荷重構造を持つ構造的なネットワークをもつ。(1)力を生成することのできるアクチンとミオシンフィラメントで構成される収縮単位と(2)中間系フィラメントの2つである。細胞外マトリックスは応力を維持できるエラスチンとコラーゲンで構成される。組織における耐荷重構成要素は全て、受動的または能動的な力の生成と伝達に関与する。平滑筋細胞における要素の反応のモデル化と力の伝達を介する収縮単位と中間系フィラメントのネットワークの定義をはじめた。これにより、細胞において発生する応力の発現を導いた。次に、細胞外マトリックスの超弾性応答を仮定し、組織における応答を決定する。適切な運動学的拘束と平衡の考慮によって、マクロスケールの変形と各荷重構造の収縮を関連付けた。結果的に、組織における各要素の応力が計算できる。この枠組みを証明するため、平滑筋組織の単純な微小構造を考慮して、実験的知見にモデルのパラメーターを合わせた。枠組みは実験的証拠を説明するのにも用いられ、中間系フィラメントの抑制によって組織における能動的または受動的な力が減少することが示唆された。細胞における中間系フィラメント数の減少がこの観察を十分に説明する。

 

雑記

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