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真核生物の勾配検出のモデル:アメーバと好中球への応用

Levchenko A, Iglesias PA. (2002, Biophs.J)[Models of eukaryotic gradient sensing: application to chemotaxis of amoebae and neutrophils.]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第4章9. 「時空間的なシグナルの検出とは何か?」の参考文献

 

概要

真核細胞は、素晴らしい正確さで化学誘引物質の微妙な勾配を検出し、勾配の高さと方向の変化に素早く応答することができる。ここでは、勾配への応答における化学誘引物質と持続的なシグナル伝達に全体的な増加の適応を説明する一連のモデルを示す。これらのモデルの一つは、アメーバと好中球における勾配検出の根底にある生化学的なシグナル伝達経路に直接投影されうる。この方法に基づいて、局所的な促進化因子(PI3-キナーゼ)と全体的な抑制化因子(PTEN または同様の脱リン酸化酵素)が協調的にGタンパク質活性によって制御される。このシグナル系は化学走性における空間一様的な変化に安全に適応する。化学誘引物質の勾配において、促進化因子と抑制化因子の活性間のバランス異常は、空間的な方向性のある持続的なシグナルを生み、小さいGタンパク質を介する基質供給に基づく正のフィードバック活性によって増幅される。この増幅は外部刺激勾配の継続的な存在かにおいてのみ活性化されるので、勾配の変化に対する感受性のメカニズムを与える。最終的に、この投影によって、シグナリングの動態に関する予測を立てた。完全な適応と基質供給に基づく正のフィードバックの根底にあるメカニズムは、他の化学誘引的な細胞種の知覚システムにおいて発見されるだろう。

 

雑記

前文で溜めたわりに最後の一文、よわくね?