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実験駆動型の数理モデルによって、自律的そして非自律的な血管新生細胞の移動が解明された

 Kei Sugihara;...;Hiroki Kurihara(2015.12, Cell Reports)[Autonomy and Non-autonomy of Angiogenic Cell Movements Revealed by Experiment-Driven Mathematical Modeling]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第4章10. 「血管を伸長する細胞メカニズムの解析」の参考文献

 

概要

血管新生は、形態形成細胞の移動によって駆動される多細胞現象である。最近、形態形成の血管上皮細胞(EC)が動的かつ複雑にふるまうことを示した。しかしながら、血管の形態形成における個々のECの動きを制御する基本メカニズムはほとんど理解されていない。ここでは、枝の伸長における細胞メカニズムを体系的に解析できる実験駆動型数理モデルを示す。これらの多細胞的なふるまいを支配する細胞自律的または協調的な活動と細胞自律的な過程が、単細胞と細胞集団の両方における形態形成のEC動態の必須な特徴を十分に説明することを発見した。モデルを精査し、実験の実証をすることで、さらに頂端と後続のECsの間の空間的関係を介して頂端のECのふるまいが協調的に制御、すなわち、頂端のECの前方への移動性が促進されることを発見した。これらの発見によって、血管形態形成だけでなく、他の種類の多細胞現象の理解が促進される。

 

雑記

簡単な数理モデルだけど、実験の結果もしっかり載ってて、すごくいい論文だ