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哺乳類の睡眠時間におけるCa2+依存的な過分極の関与

Fumiya Tatsuki,;..;Hiroki R. Ueda(2016.4, Neuron)[Involvement of Ca2+-Dependent Hyperpolarization in Sleep Duration in Mammals]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第4章15. 「睡眠研究における神経膜電位の数理モデリング」の参考文献2

 

概要

哺乳類の睡眠時間の制御の根底にある詳細な分子メカニズムはまだ解明されていない。この問題を解決するために、単純な計算機モデルを構築した。これは遅い睡眠と起床の波の電気生理的な特性を捉えている。包括的な分岐解析によって、Ca2+依存的な過分極経路が、遅い波と同時に睡眠中の制御において役割を持つ可能性が予測された。この予測を実験的に実証するために、21のKOマウスを作り解析した。Ca2+依存的なK+チャネル、電位開放型Ca2+チャネル、またはCa2+/カルモジュリン依存的キナーゼを欠損させると、睡眠時間が減少した。細胞膜のCa2+ATPaseを欠損させると、睡眠時間が増加した。薬理学的介入と全脳イメージングによって、NMDA受容体の欠損が睡眠時間を減少させ、細胞の興奮性を直接増加させることが実証された。これらの結果に基づいて、哺乳類における睡眠時間の制御の根底にCa2+依存的な過分極経路があるという仮説が提案された。

 

印象的な図

Figure 7. Ca2+ポンプの欠損によって睡眠時間が増加し、CaMKIIsの欠損によって睡眠時間が減少した

 

雑記

睡眠に神経が重要であること、神経にチャネルが重要であること、それぞれの知識は知っていたけど、改めて小さい小さいチャネルが睡眠時間を制御していると聞くとなんかすげーってなるな