これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

HIVによる細胞間感染はウイルス感染の半年間に寄与する

Shingo Iwami;...; Kei Sato(2015.10, Elife)[Cell-to-cell infection by HIV contributes over half of virus infection]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第4章16. 「ウイルス感染の数理科学的理解」の参考文献

 

概要

細胞間感染とは非感染細胞に囲まれている感染細胞の接触を介してウイルスが拡大することであり、ウイルス感染の重大なモードであると考えられている。しかしながら、ウイルス感染の2つのモード、すなわち細胞間感染と非細胞感染を実験的に区別することは難しいため、細胞間感染の根底にある定量的な情報はまだ解明されておらず、そのウイルス感染への影響は明らかでない。ウイルス学におけるこの基本的な問題を解決するために、実験と数理の調査を通じてヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)感染の細胞間感染と非細胞感染の動態を定量的に解析した。解析によって、細胞間感染モードがウイルス感染の約60%を説明し、この感染モードがウイルスの生産時間を0.9倍短くし、ウイルスのフィットネスを3.9倍長くすることが示された。結果から、非細胞感染を完全に阻害しても、HIV-1感染の拡大には限定的な効果しかないことが示唆された。

 

雑記

この情勢のなか、こんな論文読みたくないな