バクテリアの走化性反応は遷移と定常状態のふるまいの間の妥協を反映する
Damon A. Clark and Lars C. Grant(2005.6, PNAS)[The bacterial chemotactic response reflects a compromise between transient and steady-state behavior]
理由
「理論生物学」第1章1-3 「バクテリア走化性のシステム論実験と理論の展開」の参考文献
概要
遊泳するバクテリアは、化学濃度の最近の測定の時間的比較を行うことで化学的勾配を検出する。これらの比較は化学走性応答関数によって定量的に記述される。これは化学走性のふるまいを最適化すると期待される。2つの独立した化学走性のふるまいの分類を同定した。短距離の遊泳では、好ましい応答関数がバクテリアが化学誘引物質濃度の勾配の方向に移動する。長距離では、バクテリアは化学誘引物質の濃度の頂点に集合する。驚くべきことに、これら2つの分類は競合する。すなわち一つの分類が最も好ましい場合、他方は好ましくない。両方のふるまいが生物学的に相関があるので、実験的測定によく類似している応答関数をもたらす複合的な最適化における両方のふるまいを含む。この研究から、バクテリアの化学走性応答関数は単純な行動の考察に由来しうることが示唆され、応答関数が化学走性のふるまいにどのように影響するかを光を当てる。
雑記
花粉も蝉も蚊も、他の生物に外にならぬように子孫を増やしてほしい