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じんましん様皮膚炎の定義:真皮の過感受性反応パターンのサブセット

Kossard S;...;Wilkinson B. (2006.1, Arch Dermatol.)[Defining urticarial dermatitis: a subset of dermal hypersensitivity reaction pattern.]

 

理由

自分の研究関連

 

概要

背景 

じんましん様皮膚炎とは、真皮の過感受性としてよく病理学者によって診断される反応パターンのサブセットに使われる有効な言葉である。この言葉は一般に使われるものではなく、これが臨床的に関係するのかどうかを決定する定義が必要である。

目的

じんましん様皮膚炎を定義し、他のじんましん反応パターンと区別すること。そして、じんましん様皮膚炎の生検所見と合う臨床現場を皮膚科学者が認識できる頻度を纏める。

設計

じんましん様皮膚炎の臨床的もしくは組織的診断の後ろ向き研究。190報の先行研究における診断用語としてじんましん様皮膚炎を用いるセンターで厳密な組織学的基準を適応した。

設定

オーストラリアのシドニーにおける皮膚科新良で報告されている専門治療の皮膚病理サービス

主な結果の測定

じんましん様皮膚炎と他の診断の、臨床診断と組織診断の相関を解析した。前駆的な水疱性天疱瘡を除外するためにこの検査が指示されたじんましん様皮膚炎の患者の一部を対象に、水疱性天疱瘡に対する免疫蛍光検査の陽性頻度を調べた。

結果

148名の患者において、少なくとも1つの生検結果でじんましん様皮膚炎が組織学的な診断であった。そして、49人(33.1%)の患者で暫定臨床診断と合っていた。21人の患者では、蕁麻疹皮膚炎が唯一の診断であった。主な別の臨床診断は、初期水疱性天然痘や疱疹状皮膚炎(47人31.8%)、皮膚炎(39人26.4%)、薬剤反応(35人23.6%)、じんましん様血管炎(24人16.2%)そして、じんましん(12人8.1%)である。じんましん様皮膚炎の臨床診断を受けた91人において、少なくとも1つの生検結果で組織学的な診断が49人(53.8%)の患者と合っていた。他の組織診断には、皮膚炎(21人23.1%)、丘疹性蕁麻疹(12人13.2%)、薬剤反応(6人6.6%)そしてじんましん(3人3.3%)が含まれる。38の水疱性類天疱瘡の前駆症状の直接的な免疫蛍光結果とじんましん様皮膚炎の生検知見をまとめることで、3つの陽性結果だけが判明した(7.9%)

結論

じんましん様皮膚炎は、真皮の過感受性反応パターンのサブセットに対する有用な組織学的、臨床的用語であるように見える。その臨床所見は特定のものに限定されないが、湿疹や薬剤反応はよくある臨床関連性のようである。そして患者のサブセットにおいて、じんましん様皮膚炎は認識可能な反応パターンとして残っている。免疫蛍光の知見はよく陰性であるため、好酸球性海綿状態のないじんましん様皮膚炎は、水疱性類天疱瘡の信頼できる指標ではない。

 

印象的な図

Fig2. 蕁麻疹様皮膚炎

 

雑記

今日はぼんやりした日