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ヒドラの区分け化された神経系とその発生メカニズム

Yukihiko Noro;...;Toshitaka Fujisawa(2019.1, Gene Expression Patterns)[Regionalized nervous system in Hydra and the mechanism of its development]

 

理由

ラボセミナーで出てきた?

 

概要

左右相称動物と刺胞動物の最後の共通祖先は、5億年前間で神経系を発生したと考えられる。この進化の長さにも拘わらず、左右相称動物で活性化している神経関連の多くの遺伝子は、刺胞動物ヒドラでも見られる。よって、より発達したものへ進化するすばらしい能力をもつ最後の共通祖先における推定初期神経系を研究するのにヒドラは良いモデルである。神経系の区分け化は、左右相称動物の神経系の発達した特徴の1つである。区分け化された神経系はヒドラにも存在することが既に知られているが、その発生メカニズムはほとんど理解されていない。本研究では、神経ペプチドHym-176遺伝子とそのパラログに注目して、これがどのように形成、維持されるのかを示す。最初に、神経ペプチドHym-176遺伝子とそのパラログの異なる組み合わせを発現する、4つの軸に局在する神経サブセットが、ヒドラの区分け化された神経系を形成する、体全体のほとんどをカバーすることが示された。次に両生類の場合と同様に、Wntシグナル伝達経路に支配される位置情報が神経サブセットの地域特異性を決定する上で重要な役割を果たすことが示された。最後に、左右相称動物で部分的に保存されている2つの基本メカニズムである、地域的に制限される新しい分化と表現形の保存は、神経サブセット間の境界の維持のに関与することが示された。したがって本研究は、ヒドラの分岐的に進化して、軸的に区分け化されたペプチド作動性神経系の構造と発生制御の最初の総合解析である。これは、神経の区分け化の祖先的な起源を示す。

 

雑記

3000通りのパラメーター依存性を手動で調べるの、癖になって来た