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ヒストン脱アセチル化酵素1と2は、G1期からS期への進行を促進するように一斉に機能する

Teppei Yamaguchi;...;Patrick Matthias(2009.12, GENES & DEVELOPMENT)[Histone deacetylases 1 and 2 act in concert to promote the G1-to-S progression]

 

理由

色んなことが重なって知り合いになった人の論文

 

概要

ヒストン脱アセチル化酵素(HDACs)は、ヒストンをアセチル化することで遺伝子発現を制御する。さらに、HDACsは大量の非ヒストンタンパク質のアセチル化を調節することで、多様な細胞過程に影響する。ここでは、初期のマウス繊維芽細胞やB細胞系列での主なクラスⅠ酵素HDAC1とHDAC2を解析した。両方の酵素を失っている繊維芽細胞は培養中で増殖できず、CDK阻害因子p21(WAF1/CIP1)とp57(kip2)や対応するmRNAsの上方制御と関連するG1期で細胞周期を強く阻害した。野生型細胞においては、HDAC1とHDAC2はp21とp57遺伝子のプロモーター領域に結合するので、この制御は直接的である。さらに、変異細胞でのトランスクリプトームやヒストン修飾の解析から、HDAC1とHDAC2は重複している役割を部分的にしか持たないことがわかった。次に、条件標的マウスのB細胞でHDAC1とHDAC2を除去した。B細胞発生は、これらの酵素の少なくとも1つの存在をかなり必要とすることがわかった。両方の酵素を除去すると、B細胞発生は初期段階で阻害され、稀に残留している未熟なB細胞は、アポトーシスの誘導を伴うG1期の阻害を示した。一方で、成熟した休止B細胞でのHDAC1とHDAC2を除去すると、これらの細胞は増殖を誘導するにも関わらず負の影響がなかった。これらの結果から、HDAC1とHDAC2は通常p21とp57の発現を抑制することで、細胞周期のG1期からS期の進行を制御することが示唆された。

 

雑記

わかりやす。