これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

嗅覚刺激は訓練なしに視覚受容を調節する

Yoshiaki Tsushima;...;Hiroshi Ando(2021.8, frontiers in Neuroscience)[Olfactory Stimulation Modulates Visual Perception Without Training]

 

理由

Twitterで流れてきておもしろそうだったので

 

概要

多くの研究から、嗅覚刺激は感情のような高次の認知機能における他のモダリティに影響することが示された。しかしながら、嗅覚は他の感覚モダリティの低次の知覚を調節することはほとんど知られていない。嗅覚が他の低次受容に影響することを示した研究もあるが、それら全ては知覚訓練のような特定の体験を必要としていた。訓練なしに嗅覚が低次受容を調節する可能性を確かめるために、一連の生理学・神経イメージング実験を行った。参加者は動く点のスピードを報告するというような視覚タスクを行った結果、参加者は特定の訓練なしで、レモンの匂いでは動きをゆっくりに知覚し、バニラの匂いでは動きを速く知覚した。機能的磁気共鳴画像研究では、視覚野[V1 and human middle temporal area (hMT)]における脳活性が嗅覚刺激の種類に基づいて変化した。この発見から、嗅覚刺激が訓練なしで低次の視覚受容を調節するという最初の直接的な証拠が示された。このことから、嗅覚-視覚効果は獲得する行動ではなく、自然な行動であることが示唆された。この結果から、嗅覚と視覚の間の新しいクロスモーダル効果が示され、嗅覚機能のいくつかの基本的な役割を再考察する機会が与えられる。

 

雑記

嗅覚の研究、いつかやりたいな