これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

SCAIによるRIF1の阻害はBRCA1調節性修復を可能にする

Shin-Ya Isobe;...;Chikashi Obuse(2017.7, Cell reports)[Inhibition of RIF1 by SCAI Allows BRCA1-Mediated Repair]

 

理由

学内セミナーに来る人の論文

 

概要

DNA二本鎖切断(DSBs)は、相同組換え修復(HDR)経路か非相同末端再結合(NHEJ)経路のどちらかで修復される。RIF1(RAP1-相互作用因子ホモログ)は最近、S/TQ箇所でリン酸化される53BP1(p53-結合タンパク質1)との相互作用を介してNHEJを刺激することが示された。しかし経路選択の根底にある分子メカニズムは不明である。ここでは、SCAI(ガン細胞侵入の抑制因子)がS/TP箇所でリン酸化された53BP1に結合することを示す。DNA損傷が起こるとRIF1は損傷箇所にすぐに集合し、続いて53BP1から徐々に解離し、その後SCAIに置き換えられる。SCAIを欠損すると、損傷部位でのBRCA1(乳癌感受性遺伝子1)を含むHDR因子の蓄積が減少し、レポーターアッセイ系で検出されるようなHDRの効率が下がる。これらのデータから、SCAIはRIF1機能を阻害してBRCA1調節性修復を阻害することが示唆された。このBRCA1調節性修復は、alt-NHEJとG1における切断依存的なNHEJに加えてS/G2におけるHDR潜在的に含む可能性がある。

 

雑記

こういう話、学部の頃やったなー