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インターロイキン1α:自己免疫疾患と炎症性疾患の病態形成と治療におけるIL-1αの役割の包括的な総説

Cavalli G.;...;Dinarello CA. (2021.3, Autoimmun Rev.)[Interleukin 1α: a comprehensive review on the role of IL-1α in the pathogenesis and treatment of autoimmune and inflammatory diseases]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

インターロイキン(IL)-1ファミリーメンバーであるIL-1αは、遍在する重要な炎症性サイトカインである。IL-1α前駆体は健康な状態のほとんど全ての種類の細胞に構成的に存在するが、壊死性細胞死の際に生物活性メディエーターとして放出される。IL-1αは損傷した組織内に浸潤したミエロイド細胞によっても発現される。サイトカインはIL-1βと同様にIL-1受容体1(IL-1R1)に結合し、同じ炎症促進効果を誘導する。組織損傷と壊死性細胞死に放出される生物活性前駆体であるので、IL-1αは器官や組織の炎症で特徴的な多くの状態の病態形成に重要である。これらの多くの状態には、肺や気道に影響する症状、デルマトーシス、炎症性皮膚疾患、全身性強皮症、心筋炎、心膜炎、心筋梗塞、冠動脈疾患、炎症性血栓症、さらにCOVID-19、血管炎や川崎病ベーチェット病、シェーグレン症候群そして癌も含まれる。この総説では、IL-1αと炎症性疾患の病態形成との臨床的な関連性だけでなく、これらの症状の治療に対するこのサイトカインを標的とした阻害の根拠も記述する。モノクローナル抗体ベルメキマブ、IL-1可溶性受容体リロナセプト、IL-1受容体アンタゴニストアナキンラの3つの生物学的製剤がIL-1αの活性を減少するのに利用されている。メカニズムの理解や治療管理におけるこれらの発展により、現職の医師がIL-1αの存在と、幅広い疾患におけるこのサイトカインの治療的阻害の機会に気づくようになる。

 

雑記

少しずつ研究がうまくいってそうな気がしてきた