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匍行性迂回状紅斑のパターンは反応拡散系に依存しているのか?

Moore, H.J. (1982, British Journal of Dermatology)[Does the pattern of erythema gyratum repens depend on a reaction‐diffusion system?]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

匍行性迂回状紅斑(EGR)はGammel (1952)によって最初に記述された異常な皮膚発疹であり、その特徴は常に移動する独特の旋回する紅斑である。この症状は、実質的には根底の悪性腫瘍と常に関係があり、免疫的に調整されている(Holt & Davies, 1977)。私は、EGRがベロウソフ-ジャボチンスキー反応で見られる化学波(Field & Noyes, 1972; Winfree, 1972)や、集合性の粘菌アメーバの空間パターン(Tomchik & Devreotes, 1981)と驚くべき程似た形態的類似性を示すことを指摘する。後者は、反応拡散系、つまりいまや多様な生物過程の基礎として認識されている散逸構造である (Nicolis & Prigogine, 1977)。EGRの類似性が共役したおそらく免疫的な、拡散と結びつく相互作用によって生じるなら、このような関係の記述は、免疫調節メカニズムに関する知見を広げるかもしれない。引用した現象の類似性は、EGR皮疹の発生と拡大の観点において、拡散性もしくは移動性の免疫制御因子の厳密な動力学解析に繋がる。

 

雑記

アトピー性皮膚炎の塗り薬の副作用として「痒み」があるの欠陥じゃないか