これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ヒト角化細胞における紫外線B誘導性の細胞損傷に対する紫トウモロコシの毛抽出液の保護効果

Poorahong W;...;Watanapokasin R.(2021.4, J Adv Pharm Technol Res.)[Protective effect of purple corn silk extract against ultraviolet-B-induced cell damage in human keratinocyte cells.]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

紫外線B(UVB)は炎症や細胞死誘導を引き起こしうる。紫トウモロコシの毛(PCS)はトウモロコシの雌花の一部であり、複数の薬理特性をもつ。本研究では、UVB放射で誘導したヒト角化細胞HaCaT細胞の損傷におけるPCS抽出液の保護効果を決定することに注目した。細胞を1時間PCS抽出液で前処理したのち、25 mJ/cm2のUVBに曝露した。次に、細胞を培養液に置き、次の実験をおこなった。細胞の生存をMTTアッセイで決定した。免疫蛍光染色、DCFH-DA,、JC-1、Hoeshst33342染色アッセイを用いてそれぞれ γ-H2AX、細胞内活性酸素種(ROS)、ミトコンドリアの膜電位、そして核凝縮を決定した。ウエタンブロット解析を用いてタンパク発現を調べた。統計的に有意な比較は、分散分析によりP < 0.05で算出した。蛍光輝度とタンパク質のバンドの濃さはImageJの密度計で定量化した。結果から、UVB曝露前のPCS抽出液前処理によって細胞の生存率は増加した。この結果から、PCS抽出液はUVBで誘導される細胞内のγ-H2AX発現、ROSの過剰産生、そして核凝縮を減らした。さらにPCS抽出液の前処理は、UVB処理したコントロールに比べてミトコンドリアの膜電位の安定化を通じてアポトーシス反応を弱め、Bax、Bak、cleaved-caspases、そしてcleaved-PARPを減少させ、Bcl-2とBcl-xL発現を増加させた。 

この発見から、PCS抽出液がHaCaT細胞において細胞内のROS、DNA損傷、そしてアポトーシス誘導を通じてUVB曝露の悪影響を低減させうることが示された。

 

雑記

HaCaTでイメージングしてる実験としては最適なんだけど、英語がぎこちなくて不安になる。テーマの背景もあまり書かれていないし・・・。