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粘膜関与を伴う多形紅斑とスティーブンジョンソン症候群は、異なる原因の臨床的に異なる疾患である

Assier H;...;Roujeau JC.(1995.5, Arch Dermatol.)[Erythema multiforme with mucous membrane involvement and Stevens-Johnson syndrome are clinically different disorders with distinct causes.]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

背景と設定:多形紅斑(EM)メジャーとスティーブンジョンソン症候群(SJS)は、類似の粘膜びらんを伴うが、異なるパターンの皮疹を示す2つの異なる臨床疾患に分類されうる、ことが最近示唆された。この仮説を検証するため、ここでは皮膚と粘膜関与を伴う重度のEMの単一施設の後ろ向き研究を行った。臨床写真の総説に基づき、皮疹が四肢や顔に局在する典型的もしくは盛り上がる非定型の標的型であるとき、皮疹をEMに分類した。また、皮疹が広く分布するもしくは胸に分布した平面の非定型の標的型や紫の黄斑であるとき、皮疹をSISに分類した。この臨床的分類を盲検化した別の研究者は、カルテ由来のスコアを用いて、それぞれの症例にありうる原因(例. ヘルペス感染や薬剤誘導性反応)に関連付けた。

結果:76症例のほとんど(80%)は2つの疾患のどちらか1つに分類できた:EMが28症例(37%)、SJSが33症例(43%)、非決定が15例(20%)であった。原因スコアを使って、76症例はヘルペス誘導性(n = 18 [24%])、薬剤誘導性(n = 40 [52%])、そのほか(n = 18 [24%])に分類された。臨床分類と可能性のある原因との間には強い相関があった。特に、EMはヘルペスと他の原因に最も関連したが、EMはほとんど薬剤と関連しなかった。一方で、SJSはほぼ常に薬剤と関連し、ヘルペスには全く関連しなかった。

結論:本研究の結果から、粘膜関与を伴うEMとSJSは、2つの異なる臨床パターンに基づいて区別されうるという提案が支持される。さらに、それぞれのパターンと特定の原因間に強い関係が観察された。この研究は、粘膜関与を伴うEMとSJSは、実際に2つの異なる疾患であることを示唆する証拠の1つである。

 

印象的な図

Figure 2. 多形紅斑と診断された患者の足の、二重の多環型の輪の非定型の盛り上がった標的型

Figure 3. 多形紅斑メジャーと診断された症例の、患者のてのひらにおける三重の多環領域をもつ典型的な標的型

 

雑記

しばらく暖かくて元気になってきたのに、また寒くなって気持ちが小さくなってきた