これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

初期ライム病における遊走性紅斑のスペクトラム:認識を向上できるか?

Schotthoefer A M;...;Horn E J(2022.10, Cureus)[The Spectrum of Erythema Migrans in Early Lyme Disease: Can We Improve Its Recognition?]

 

理由

博論の参考文献

 

概要

背景と目的:初期ライム病(LD)の診断は、実験室試験が非感受的であるとき、しばしば皮疹、遊走性紅斑(EM)、症状の診断兆候の臨床認識によく基づいている。EMは形態的に異なる形を示しうるので、医者によるその認識は困難になりうる。本研究の目的は、外来診療で初期LDが疑われる患者さんの病変の臨床スペクトルを特徴化し、臨床医がEM病変を認識するためのより良い準備をするのに役立つ特徴を明らかにすることである。

方法:初期LDを示すと疑われる69人の患者由来の皮疹の写真を、初期LDの専門性を持つ皮膚科医やかかりつけ医が遡及的に評価した。評価者は皮疹の診断や形態特徴に関する決断を行う。皮疹の種類や被験者の統計、症候、感染の実験的証拠に関する評価者間の同意と合意を、それぞれκ係数と分割表を用いて調べた。

結果:本研究でEMを診断することの困難性が証明された、すなわち評価者間の初期の一致は高くはなかった。最終的な分類は、EMと合致する35の皮疹(51%)を含む。23の皮疹(30%)は初期EMや虫刺され反応の可能性があるとみなされ、11 (16%) の皮疹はEMではなく、白癬、アレルギー性接触性皮膚炎や蚊による虫刺されを含む他の診断と考えられた。他の2つの皮疹(6%)は典型的な標的型、すなわち輪のなかに輪があるパターンを示した。ほとんどのEM皮疹は均一(51%)で、ピンク色(74%)で、楕円形(63%)で、明瞭な境界(92%)を示す。初期のEMや虫刺され反応は、典型的に5cm以下のサイズ (74%)であり、赤色(52%)であり、丸い(61%)斑点(100%)を示す。EMではないと考えられた皮疹も、ピンクや赤色(64%)、丸く(55%)、均一な(45%)皮疹を示す傾向があったが、盛り上がったり(25%) 、不規則な境界(33%)も示す。これは、評価者が分類したEMや虫刺され反応皮疹にはあまり観察されない。EMと分類された皮疹の被験者は、他の皮疹を持つ被験者よりも長い日数皮疹を示し、より多くの症状を報告することが分かった。結局、14人の患者(20%)のみがLDの実験室的証拠の陽性を示した。そのうち3人はEMと分類された皮疹をもつた験者が13人(37%)含まれた。

結論:EMは典型的な標的型ではない形をよく示す。患者は非常に初期段階のEMや虫刺され反応を代表する皮疹をしばしば示す。ほとんどの患者は現在可能な実験試験に陰性を示しうることから、医者がLD診断や治療決定を行うことは困難である。さらに追加の研究で、EMの形態的特徴や臨床医の間で皮膚病変のばらつきがどのように認識されうるかを明らかにすることで、EMの臨床認識を向上させるガイドラインの開発を助けるだろう。

 

印象的な図

Figure 2: 本研究において評価者が分類したEM皮疹における多様性を示す追加の図。
(A)拡大するEMの例 (B)中心の消失した皮疹。(C) and (D)典型的な多環すなわち標的型の皮疹。(A)の患者はLDの血清学的証拠の2段階の陽性を示し、(C)はPCR陽性であった。

 

雑記

ここ一年くらいで一番文字書いてるかも?