これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

皮膚スケールで作られる中間的な生物のセルオートマトン

Liana Manukyan;...;Michel C. Milinkovitch(2017.4, Nature)[A living mesoscopic cellular automaton made of skin scales]

 

理由

副査の先生に論文の説明に行ったら、関連論文で教えてくれた

 

概要

脊椎動物において、皮膚の色パターンは細胞間相互作用の非線形ダイナミクスのミクロな系から生じる。ここでは、ホウセキカナヘビにおいて、個々の色素胞ではなく皮膚スケールの準六角形格子が緑と黒の迷宮パターンを作り出すことを示す。4年間のカナヘビの発生における色のダイナミクス時系列を解析し、このパターンがセルオートマトンによって生まれることを示す。このセルオートマトンは隣接する要素の状態に基づいた一連のルールに対応して状態を繰り返す要素の集合であり、個々の中間的な皮膚スケールの色状態を動的に計算して、対応するマクロな色パターンを産み出す。数値計算と数学的導出を用いて、離散フォンノイマンセルオートマトンから連続的なチューリング反応拡散がどのように生じるかを同定した。皮膚スケールの3次元的な形態形成によって生まれる皮膚の厚さの変化によって、根底にある反応拡散ダイナミクスがミクロと中間の空間スケールに分離し、中間のスケールがセルオートマトンを産み出す。本研究によって、セルオートマトンはただの計算システムではなく、生物学的進化によって作り出された過程に直接対応しうることが示された。

 

印象的な図

Figure1. カナヘビの個体発生における色パターン

 

雑記

確かにこれは面白いな。。。皮膚組織染色とかが載ってるのも新しい。