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オーキシンの流れとオーキシンの排出キャリア間の正のフィードバック制御による葉脈のパターン形成

Fujita, Hironori; Mochizuki, Atsushi(2006.8)[Pattern formation of leaf veins by the positive feedback regulation between auxin flow and auxin efflux carrier]

 

理由

昨日の葉脈パターンシリーズ

 

概要

植物における脈パターン形成の作成は生物におけるパタン形成の興味深い過程の一つである。植物ホルモンのオーキシンが植物の脈分化に関与すること、そしてオーキシン排出キャリアのPINタンパク質が細胞膜の一方に局在することがよく知られている。いくつかの仮説によって葉脈パターンの形成が説明されている。一つは、単一分子の流れとその流れの容量間に正のフィードバック制御が存在するという仮定に基づいたcanalization仮説である。この論文では、canalization仮説と実験データの統合を試みた。オーキシン流とPIN1局在間の正のフィードバック制御のモデルを調べた。モデル1は各細胞のPIN量を保存するもので、植物の葉脈に似た分岐パターンを再現できる。モデルには、未知の因子として拡散因子"e"を導入した。ドメイン成長を含んだモデルダイナミクスは得られたパターンは準周期のオーキシン流路の分布を示す。ほとんど一様な分布から不均一性を生み出すような初期開始過程を理解するために、モデル1を単純化したモデル2を導入した。モデル2はモデル1と同じパラメーター依存性を持ち、不均一性を生み出せる。パターン発生に必要なパラメータ状況を解析するために、モデル2から近似方程式を得た。空間構造を無視して、この方程式のアイソクライン解析をすると、この不均一な分布はほとんど均一な分布から生まれることが分かった。不均一性を作るこのパラメーター状況はモデルの1と2で一致している。

 

印象的な図

Fig2. 葉脈パターンの形成

 

雑記

昨日の論文より式やグラフが多く数学的な印象が強い