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皮質基底核の変性から進行性核上性麻痺を区別するようなアミノ末端削除型のtau断片同定

Arai, T;...;Yagishita, S(2004.1)[Identification of amino-terminally cleaved tau fragments that distinguish progressive supranuclear palsy from corticobasal degeneration]

 

理由

望月先生シリーズ6

 

概要

進行性核上性麻痺(PSP)と皮質基底核変性(CBD)は神経変性病であり、4つの微小管結合反復配列と過剰リン酸化したtauの細胞内蓄積が特徴である。PSPとCBDは特有の病的特徴があるが、蓄積したtauには生化学的な違いがわかっていない。この研究では、PSPの患者8人とCBDの患者6人とCBDとPSP両方の病的特徴を持つ稀な患者1人の脳を調べた。サルコシル不溶性の脳抽出物の免疫ブロットにおいて、PSPの少分子量のtau断片の33kDaのバンドが優勢であった一方で、CBDでは約37kDaの2つの非常に関連したバンドが優勢であった。稀な事例では33kDaと37kDaの両方のバンドが見られた。タンパクシークエンスと免疫化学解析によって、33kDaと37kDaの二重は異なるアミノ末端を持つtauの半分がカルボキシ化したものを含むことが分かった。これらの結果によって、tauアイソフォームの構成が同じにも関わらず、異常なtauの異なるタンパク分解過程がこれら二つの症状で起こっていることが分かった。このような生化的相違がこれらの症状の神経病理的な特徴に関係しているかもしれない。

 

雑記

研究室の暖房が効かないので、コーヒーがすぐ冷める