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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

利他主義と処罰の共進化:利己的な処分者の役割

Nakamaru, M;Iwasa, Y(2006.6)[The coevolution of altruism and punishment: Role of the selfish punisher]

 

理由

磐佐先生シリーズ8。最終回です。

 

概要

処罰は非親族間の利他主義の進化を促進する重要なメカニズムである。以下の4つの可能な戦略を考慮して利他主義と処罰の共進化を調べる:利他的な処罰者(AP,違反者を処罰する協力者)、利他的な非処罰者(AN,純粋な協力者)、利己的な処罰者(SP,違反者を処罰する違反者)、そして利己的な非処罰者(SN,純粋な違反者)である。SPは他の違反者を罰するので自己矛盾的な戦略をとる。利他主義と処罰の共進化上のSPとANの効果を解析する。点数依存的な生存能力モデル(ゲームの点が生存だけに影響する)と点数依存的な繁殖モデル(ゲームの点が繁殖だけに影響する)。完全に混合した集団の生存能力モデルでは、SPは最初にSNを駆逐する一方、協力者(APとAN)の進化を助ける。一方、完全に混合した集団の繁殖モデルでは、SPもANも協力の進化を助けない。格子構造の集団の生存モデルでも繁殖モデルでも、SPはAPの拡大を促進する。逆に、ANはAPの進化に反対する。これらの結果より、処罰は違反者の適応度を減らすためにコストを払う悪の行動であり、異なるモデルは悪の行動に対する異なる度合いの利益を与える。

 

雑記

ヒラサワを歌いながら論文を訳しています。