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NMDAR-調節性Ca2+の増加は樹状突起における頑健な情報輸送を示す

Takehiro Tottori;...;Shinya Kuroda(2019.5, Biophysical Jornal)[NMDAR-Mediated Ca2+ Increase Shows Robust Information Transfer in Dendritic Spines]

 

理由

黒田先生シリーズ

 

概要

樹状突起は他のニューロンからの入力時間経過情報を処理するニューロンの樹状における小さい構造である。ニューロンにはかなりの突起が存在する。なぜ突起は小さく多いのか?この問題を解決するために、NメチルDアスパルテート受容体(NMDAR)調節性Ca2+増加の確率シミュレーションモデルを用いた。NMDAR-調節性Ca2+増加は興奮前後の入力時間経過情報をコードする。ここでは、入力経過時間情報がプレシナプス変動に対してどのくらい増加するかを調べた。細胞体積でコードされる入力タイミング情報がプレシナプス変動に対して大きく減少する一方で、突起体積における変動でわずかに減少することを発見した。したがって、突起体積においてコードされる入力時間情報が細胞体積における情報よりもプレシナプス変動に対してより頑健である。さらに、突起体積における頑健な情報輸送のメカニズムを調べた。頑健性の状態は確率的なNMDAR調節性Ca2+増加がプレシナプス変動(外的ノイズ)をより大きくすることを示す。プレシナプス変動が大きいとき、状態は突起体積において満たされるが細胞体積においては満たされない。さらに、単一で大きい突起をコードする入力時間情報と多くの小さい突起をコードする情報を比較した。プレシナプス変動がそれらの頑健性によって大きい場合に、多くの小さな突起でコードされる入力時間情報は単一の大きい突起より大きいことが分かった。よって、頑健性は樹状突起がなぜ非常に小さく多いかの機能的な理由である。

 

雑記

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