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伸び分子動力学シミュレーションからのリン脂質/コレステロール二重層における孔端の線張力

Taiki SHIGEMATSU;...; Shigeo WADA(2016.10, Journal of Biomechanical Science and Engineering)[Line tension of the pore edge in phospholipid/cholesterol bilayer from stretch molecular dynamics simulation]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第3章5. 「医工学技術開発における生体膜分子シミュレーション」の参考文献

 

概要

脂質二重層における孔の線張力は、孔調節的な分子輸送技術に重要である。分子レベルで孔端の線張力に関するコレステロールの影響を理解するために、異なるコレステロール濃度(0, 20, 40 mol% )を含む孔のある脂質二重層の分子動力学シミュレーションを行う。孔のある二重層は等二軸伸長シミュレーションを用いて用意した。二重層に適用された面ひずみが、ある値以下になる時、その後孔のある伸びた二重層は圧縮され、孔が突然閉まる。孔が閉じる面ひずみと孔のある伸びた二重層のフリーエネルギーモデルを用いて、0 20 40mol%のコレステロールを含む二重層の線張力の上限と下限は、それぞれ17.0-48.2, 54.5-100, 170-261pNと推定された。線張力の増加傾向は実験観察の蛍光と定量的に合致している。コレステロールを含む二重層における孔はいくつかのコレステロール分子に並んでおり、これが孔端の曲げ剛性を増加させ、結果としてコレステロールを含む二重層の線張力が高くなる可能性がある。二重層構成における線張力の有意な依存性は、ソノポレーション治療で観察される伝達効率の幅広い違いを説明するのに有効であると考えられる。

 

印象的な図

Fig3. 各濃度のコレステロールを含む二重層の孔の開き方

 

雑記

本日は我が家にお客さんが来ています(蜘蛛)