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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

細胞外マトリックス分解と血管新生に関する数理的研究

Minerva, Dhisa(2016.9, 博士論文)[Mathematical Studies on ECM Degradation and Angiogenesis]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第3章6. 「高次現象のシミュレーション法」の参考文献

 

概要

本研究は2つのトピックから成る。1つ目は、癌浸潤に関連する細胞外マトリックス分解における動力学反応に対する非平衡常微分方程式(ODE)系の数理法の応用である。この方法は、反応速度定数に基づく動力学反応のグループの概念に基づいている。これらの動力学反応に関連する従属変数の関係を得るために質量保存則を用いた。これらの関係は反応中の全ての時間で確かなものなので、ODEsを明示的に解くことができる。この方法は、細胞外マトリックス分解における動力学反応系に十分適用できた。この系は、特定の結合ルールのある3つの基本分子の動力学反応によって構成される12のODEsから成る。このモデルを用いて、接続された分子の初期濃度がグループの解のふるまいを制御することが分かった。2つ目のトピックは、血管新生における血管ネットワークもパターン形成の研究である。血管新生とは、新しい血管を形成する過程である。血管ネットワークの形成は血管内皮増殖因子(VEGF)とフィブロネクチンそれぞれの環境勾配に応答する走化性または走触性によって駆動される。走触性がない場合、血管の芽は横方向の移動をせずに腫瘍源に向かってまっすぐ成長する。走化性と走触性を組み合わせることで、ある距離に達する前に基の血管に向かって後退する芽も見られ、腫瘍源へ向かう成長は遅くなった。このことから、腫瘍血管形成における血管ネットワークの成長はVEGF勾配に対する走化性反応によってほとんど駆動されることが示された。離散-連続のハイブリッド技術によって、環境勾配に応答する頂端細胞の移動を追跡することで血管新生にネットワーク形成をシミュレーションできる。

 

雑記

あれ?もしかして4月終わった??