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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

ヒトにおける耐糖能を制御する因子の生理的評価:静脈内グルコース注射に対するインスリン感受性とβ細胞グルコース感受性の測定

R N Bergman; … ; C Cobelli(1981, J Clin Invest.)[Physiologic evaluation of factors controlling glucose tolerance in man: measurement of insulin sensitivity and beta-cell glucose sensitivity from the response to intravenous glucose.]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第4章3. 「血糖恒常性システムの数理モデル解析」の参考文献1

 

概要

耐糖能に会する膵臓の感応性とインスリン感受性の定量的な寄与を18人の痩せた被験者と肥満の被験者で測定した。2つの数理モデルの観点から、静脈内グルコース注射中の血中グルコースインスリンの動態を説明することで、各インスリン分泌と活性の個々の寄与を測定した。一つは第1段階(Φ1)と第2段階(Φ2)β細胞のグルコースに対する感応性のパラメーターを支配するインスリン動力学モデルである。もう一つは、インスリン感受性パラメーターSiを支配するグルコース動力学モデルである。痩せ型と肥満型の被験者は耐糖能の高い(Kg>1.5)グループと低い(Kg<1.5)グループに分けられた。耐糖能の低さの原因は痩せ型と肥満型で全く異なっていた。痩せ型では、耐糖能の低さは膵臓の機能不全に相関があるが、インスリン感受性は正常であった。一方で、肥満型の耐糖能の低さはインスリン抵抗性によるもので、膵臓の感応性は痩せ型や耐糖能の良いコントロールと変わらなかった。被験者は第2段階β細胞感応性(Φ2)とインスリン感受性(Si)の産物で耐糖能を分けるべきである。よって、これらの二つの因子は耐糖能の全体的な決定に最も重要である。Φ1の効果は、Φ2とSiによって全体の耐糖能が決定されたグループ内でKgを調節することであった。このΦ1の調節の影響は、インスリン抵抗性よりもインスリン感受性で効果が大きかった。この研究によって、完全な耐糖能の原因を決定するための最小モデル技術の実効性が示された。

 

雑記

1980年からシステム生物学ってあったんだな