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生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

アフリカツメガエルにおける神経管形成中の頂端収縮、細胞伸長、細胞移動の物理的な役割

Yasuhiro Inoue;...;Naoto Ueno(2016.5, Biomechanics and Modeling in Mechanobiology )[Mechanical roles of apical constriction, cell elongation, and cell migration during neural tube formation in Xenopus]

 

理由

実験医学数理モデル特集の第4章11. 「上皮形態形成のメカニズム解明に向けた数理モデル」の参考文献

 

概要

神経管閉鎖は、中枢神経系の発生中の重要かつ必須の過程である。神経上皮の平坦なシートから神経管構造を形成するには、組織変形の変形の力学を説明するために、いくつかの細胞変形現象と組織動態が必要になる。細胞伸長によって、立方体の細胞が円柱状に変わり、その後頂端収縮によってそれらの先端が急峻になり、楔形になる。加えて、アフリカツメガエルにおける神経板が階層上になり、下層における非神経細胞が重なっている面の細胞を引っ張り、最終的に中央に二層の細胞を持ってくる。よって、神経管閉鎖は複雑な事象に見え、これらの3つの物理的事象が重要な力学的役割を果たすと考えられる。これら3つの物理的事象が神経管形成を駆動するのに力学的に充分かどうかを調べるため、3次元バーテックスモデルを使って神経管閉鎖の過程を計算した。この結果から、頂端収縮が、神経細胞の頂端表面の円周をすぼめることで、神経板を曲げ始める。頂端収縮と協調する神経細胞伸長がさらに細胞の頂端表面を狭め、神経板の急激な折りたたみを起こすが、これは完全な神経閉鎖には不十分であった。下層の細胞の移動によって、閉鎖に必要な組織変形が加えられた。このモデルを実証するため、頂端収縮と細胞伸長をアフリカツメガエル胚で阻害した。結果的に、細胞と組織の形は計算結果に対応した。

 

雑記

「強火で1分と弱火で3分を同じだと思ってるやつは料理するな」と怒られて、ムキになって熱拡散モデル作って実証してたら、いいブログ見つけた

https://hogespace.hatenablog.jp/entry/2019/06/11/183810