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アメーバは子実体へどのように自己組織化するか:細胞性粘菌における多細胞の協調

Athanasius F. M. Mare´e and Paulien Hogeweg(2001.1, PNAS)[How amoeboids self-organize into a fruiting body: Multicellular coordination in Dictyostelium discoideum]

 

理由

「理論生物学」第4章4-2「多細胞体形態形成のための細胞モデル」の参考文献

 

概要

細胞性粘菌の個々の細胞が飢餓状態になったとき、それらは集合して多細胞移動体を形成する。この移動体は集合体に適する領域に向けて移動する。この形態形成の集合体は、細い軸の頂上の球の小球体へ変形する複雑な細胞移動を含む。この移動は”逆の山"と関連しており、これは上部の予定柄細胞が下側に移動し土台に繋がる軸を形成するが、下部の前胞子細胞は上側へ移動し、胞子を形成する。しかしながら、ここまでこの過程の満足いく説明は生まれていない。作成した計算機シミュレーションを用いて、形態形成の初期段階中に必須な過程は実際に、集合段階の動態を生み出すのに十分であることを示す。これらの過程はcAMPシグナリング、異なる接着、細胞分化、そして細胞外マトリックスの産生である。このモデルは観察される細胞移動を生み出す過程を明確にする。より具体的には、化学走性的な動きによって生まれる周期的な上側への移動が集合の成功のに必須である、なぜならそれらが生み出す圧縮の波が細胞質量を通じて軸を下側に絞るためである。モデルで解明されたメカニズムが大量の自己組織化と自己正確化特性を持ち、以前に接続されておらず説明されていない実験観察の多くを説明できる。

 

印象的な図

Fig1. 集合形成のシミュレーション

 

雑記

エアコン、切ると寒いし付けると暑い。とかくこの世は生き辛い