これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

単層細胞における機械化学的なパターンと最適移動の理論

Daniel Boocock;...; Tsuyoshi Hirashima; and Edouard Hannezo(2020.9, nature physics)[Theory of mechanochemical patterning and optimal migration in cell monolayers]

 

理由

Twitterで流れてきて、面白そうだったので

 

概要

選択的な細胞移動は、非平衡物理と細胞生物学の充実した分野であり、ガラスダイナミクスやパターン形成、活発な乱気流のような現象を解明している。しかしながら、機械的かつ化学的なシグナリングがどのように細胞レベルに統合されて、このよな選択的なふるまいを起こすのかは明らかではない。ここでは、高く保存されている現象である、細胞外シグナル調節性キナーゼ(ERK)活性とその密度の時空間的な波の現象に注目することで、この問題に取り組む。この現象は、選択的な細胞移動や創傷治癒の間に生体外と生体内の両方で現れる。最初に、機械的かつ工学的摂動実験によって裏付けられた生物物理理論によって、活性細胞張力と機械受容的なERK経路との機械化学的な共役によって、パターンが定量的に説明されることが分かった。次に、この生物物理メカニズムは、狙った方向への長距離の移動を頑健に誘導できることを示す。そして、自由端に向かう最大移動を誘導する最適な波長と周期を理論的に示す。これは、実験的に観察されるダイナミクスと良く合っている。これにより、時空間的不安定性に生物物理的起源と頑健かつ効率的な長距離移動の設計原理との間を繋ぐ。

 

雑記

文章の構成、論理の流れ、英語の表現、全て参考になる。本文もちゃんと読んだ方が良いかも