これはブログではない

生物学(主に理論生物学)の論文を書くために読みます

悪い科学の自然選択

Paul E. Smaldino and Richard McElreath(2016.9, Royal society open science)[The natural selection of bad science]

 

理由

ザビーネ・ホッセンフェルダー「数学に魅せられて、科学を見失う」で出てきた論文

 

概要

悪い研究デザインやデータ解析は誤検出の発見を促進する。このような悪い方法は何度も改善が求められているにも関わらず続いていることから、ただの誤解以上の何かの結果によることが示唆される。悪い方法の持続は、部分的にはそれを好む動機から生じて、悪い科学の自然選択を引き起こす。このダイナミクスには、科学者が意識的に戦略を練る必要はなく、意図的な不正行為や怠惰も必要ない。出版がキャリアアップのための主要な要因であるということだけある。規範的な解析方法の中には、発見ではなくさらなる出版のためにほぼ確実に選択されるものもある。科学の文化を改善するためには、誤解を正し、理解を称賛する方向への転換を起こす必要がある。経験的証拠と計算機モデリングを用いてこの議論を支持する。最初に、行動科学における統計的検出力の60年にわたるメタ分析を示す。この検出力の増加の必要は繰り返し示されているにも関わらず、この力は改善されなかったことが分かった。構造的動機の論理的帰結を示すために、次に科学コミュニティの動的モデルを示す。このコミュニティは、文化的に伝播する研究方法を用いて新しい、もしくは既出の仮説の調査を競う研究室たちである。実世界では、成功する研究室は、多くの”子孫”すなわち、より多く複製される方法や自身の研究室を始める学生を生み出す。高出力の選択は、悪い方法と驚くべき程高い誤検出率を引き起こす。さらに、複製はゆっくりであるが、方法の悪化の過程を止めないことが示された。研究の質の改善は、機関レベルでの変化を必要とする。

 

雑記

もう6月!?4,5月の記憶がない!